OT-92
製造開始1992年
運用者チェコ=スロバキア連邦軍(チェコ=スロバキア連邦共和国)
製造総数950両
性能諸元
全長7.35m
全幅2.9m
全高2.77m
重量13.5t
乗員数2名+兵員16名
装甲・武装
装甲10mm
主武装12.7x108mm 重機関銃
機動力
最高速度115km/h
不整地速度10km/h(水上)
エンジン直列6気筒ターボチャージャー付き液冷ディーゼル (270hp)
行動距離900km

OT-92装甲兵員輸送車は、ČKD社がチェコ=スロバキア連邦軍向けに製造した六輪式の装甲兵員輸送車であり、さまざまな派生型が開発されている。
設計においては、運用が容易なように単純な基本構造と整備コストの軽減を基本としている。1990年に制式採用され、1992年に量産が開始された。

近いうちに生産ラインは新型のOT-220?になり、製造を終了する予定である。

OT-92の車体は、厚さ6-12mmの装甲で覆われており、車体上部のハッチも装甲化されている。車体のフロントガラスは防弾ガラスをはめ込んでいる他、車底には地雷の爆発に耐えられるように設計されている。また、内部面積も広くとられている。

そして高い不整地走破能力も与えられており、最大60度の傾斜を登坂可能なほか、車体後面左右に1機ずつのスクリュープロペラが設置されているので水上を浮航することも可能である。

武装については、砲塔などの固定武装は装着されていないが、車体上面中央部に装着された1基の旋回式ターレットに機関銃や機関砲を搭載可能である。この他にも車体の兵員輸送区画には左右両面に3基ずつ、後面2基のガンポートが配備されており、車内に搭乗する兵員が自前の銃器を車内から発砲することが可能である。

派生型

  • OT-92
オリジナルの六輪型。本体重量は12tであり、兵員16名が乗車可能。
  • OT-92A1
より強力なエンジンと改良された変速機を搭載した改良型で、兵員18名が乗車可能。
  • OT-92A2
装甲を改良し、重機関銃を装備した補助動力付きの機関銃塔を搭載した改良型。重装甲化の代償として本体重量が19tにまで増加したため、水陸両用能力が失われた。エンジンと変速機はXA-185と同じ。
  • OT-92A3
今までのシリーズと比べて、装甲厚を倍増させた改良型。PT-92やOT-92A1の装甲は、7.62x54mmR弾の徹甲弾に貫通される程度だったのに対して、14.5mm重機関銃の弾丸にも耐えられるほどに装甲を強化した。その代償に水陸両用能力は失われたが、水深1.5mまでならそのまま水床を走行可能としている。また、夜間作戦用にペリスコープ型の暗視装置も搭載されている。
OT-92A3の派生形には、指揮通信車仕様車などがあげられる。
これらの基本的な派生型から、さらに装甲兵員輸送車や装甲救急車、指揮通信車、地対空ミサイル発射車両、レーダー搭載車、TOW対戦車ミサイルを搭載した戦車駆逐車、車体上部にAMOS連装自動迫撃砲を搭載した自走迫撃砲などの細かい派生型が生産されている。

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