概要 
沿革
1994年の夏、リーベリファミリー第2段階として開発されることが決定したL-500は、1998年に開始された次世代旅客機開発計画にて、大型機開発部門の一大プロジェクトとして本社より以下の要素を要求された。
当時のリーベリグループが目指していたのは、1つの航空会社が運用する機体が全てリーベリファミリーで統一されることだった。これは相互乗員資格を最大限生かすためのもので、その為には超大型旅客機のみならず、貨物機もある程度のシェアを確保する必要があった。また、当時アルミヤ連邦共和国空軍が大型輸送機を求めており、それに対応する為に既存機の転用を行いたかったという事情もあった。そのため、リーベリグループはこの超大型旅客機をなんとか貨物機として運用可能な機体とする必要があったのである。
大型機開発部門はこれらの要求を踏まえて設計を開始した。
まず、標準座席数500席以上を達成するために機体は総二階建て構造で、全長75mの客室幅7.1mとされた。これはA380よりも一回り大きいサイズで、標準座席数は560席、座席はA380よりも幅に余裕のある物を採用する予定であった。二階へ上がるための階段は客室の前方と後方にそれぞれ配置され、前方はカーブ階段、後方は直階段が採用されている。また、前方の階段は大人二人がすれ違っても大丈夫なように余裕を持った幅を確保していた。
また、貨物機としてある程度のシェアを確保するため、長い荷物を搭載できるよう、B747と同じように機首部から荷物を搬入出来るような構造にすることが決定された。また、後方の搬入口はコンテナを横に複数個並べた状態で搬入出来る幅とし、搬入速度の増加を狙った。二階部分へ搬入する為の装置は外部の専用ローダーか内部エレベーターの二種類を選択可能となっている。
また、複合材料の使用比率をあげることでペイロードが拡大すると予想されたなめ、An-124などが担当している超大型貨物を限定的に引き受けることが可能になると考えられた。そのため、二階部分を撤去したモデルや、二階の床を折り畳むなどして高さのある貨物を搭載出来るようにする改修なども提案・設計された。
しかし、この計画は素材の強度不足などが問題となったL-180-D?の計画停止と共に凍結され、設計はおおよその仕様が決定したのみで止まることとなった。大型機開発部門はこの後LC-XとL-300-Aの開発を行い、L-500の計画は完全に消滅したと考えられていた。
転機が訪れたのは2002年の秋だった。国内航空会社や政府からの要請により後継機の開発を求められたリーベリグループが、再び第3世代機としてL-100?、L-180-D?、L-300-B?、L-500の開発を発表したのである。これに伴い、元々L-500プロジェクトに関わっていた人員の多くが再招集され、旧設計を踏まえた上での再設計を開始することとなった。
そして2007年、L-500は初飛行を行い、2009年より運用が開始された。
- リーベリファミリー第3世代機と共通化を可能な限り行うこと
- 可能な限り複合材料を使用し、軽量化すること
- 満載時最大12000km以上の航続距離を達成すること(旅客モデル)
- 1席あたりの輸送コストがB747よりも安くなること
- 標準座席数を500席以上とすること
- 貨物機としての運用能力を持つこと
当時のリーベリグループが目指していたのは、1つの航空会社が運用する機体が全てリーベリファミリーで統一されることだった。これは相互乗員資格を最大限生かすためのもので、その為には超大型旅客機のみならず、貨物機もある程度のシェアを確保する必要があった。また、当時アルミヤ連邦共和国空軍が大型輸送機を求めており、それに対応する為に既存機の転用を行いたかったという事情もあった。そのため、リーベリグループはこの超大型旅客機をなんとか貨物機として運用可能な機体とする必要があったのである。
大型機開発部門はこれらの要求を踏まえて設計を開始した。
まず、標準座席数500席以上を達成するために機体は総二階建て構造で、全長75mの客室幅7.1mとされた。これはA380よりも一回り大きいサイズで、標準座席数は560席、座席はA380よりも幅に余裕のある物を採用する予定であった。二階へ上がるための階段は客室の前方と後方にそれぞれ配置され、前方はカーブ階段、後方は直階段が採用されている。また、前方の階段は大人二人がすれ違っても大丈夫なように余裕を持った幅を確保していた。
また、貨物機としてある程度のシェアを確保するため、長い荷物を搭載できるよう、B747と同じように機首部から荷物を搬入出来るような構造にすることが決定された。また、後方の搬入口はコンテナを横に複数個並べた状態で搬入出来る幅とし、搬入速度の増加を狙った。二階部分へ搬入する為の装置は外部の専用ローダーか内部エレベーターの二種類を選択可能となっている。
また、複合材料の使用比率をあげることでペイロードが拡大すると予想されたなめ、An-124などが担当している超大型貨物を限定的に引き受けることが可能になると考えられた。そのため、二階部分を撤去したモデルや、二階の床を折り畳むなどして高さのある貨物を搭載出来るようにする改修なども提案・設計された。
しかし、この計画は素材の強度不足などが問題となったL-180-D?の計画停止と共に凍結され、設計はおおよその仕様が決定したのみで止まることとなった。大型機開発部門はこの後LC-XとL-300-Aの開発を行い、L-500の計画は完全に消滅したと考えられていた。
転機が訪れたのは2002年の秋だった。国内航空会社や政府からの要請により後継機の開発を求められたリーベリグループが、再び第3世代機としてL-100?、L-180-D?、L-300-B?、L-500の開発を発表したのである。これに伴い、元々L-500プロジェクトに関わっていた人員の多くが再招集され、旧設計を踏まえた上での再設計を開始することとなった。
そして2007年、L-500は初飛行を行い、2009年より運用が開始された。
機体
機体は引き続き総二階建てとされ、全長は80m、客室幅7mとされた。翼を含めた全幅は85mで、主翼の後退角度は40°となっている。
機体には複合材料が58%も使用されている。これは超大型機には他機よりも機体強度が求められるが、双発旅客機にも勝てるだけの運用コストや、貨物の搭載量の向上などの都合から徹底的な軽量化が求められたためである。実際に使われた素材は炭素繊維をエポキシ樹脂で固めたものが主である。
また、製造法も従来のものから変更されている。それまでの炭素繊維複合品の製造方法は、熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維のシートを金型に積層し、それをオートクレーブという加圧オーブンで加熱することで硬化させていた。しかし、この方法は金型とオートクレーブが非常に大きく高コストなものになる上、製造時間も長くかかるという問題があった。そこで、オートクレーブなどの大掛かりな設備を使わずに大型部品を製造するため、リールに巻かれた数枚のプリプレグを金型を通す際に圧縮、加熱することにより、理論的に長さ制限のない部材の製造が可能な上、真直性や直角度についても高い精度を確保できる方式を採用した。これにより、二階客席床の梁部分となる部品は7mという大きさにもかかわらず、わずか15kgという軽さとなっている。
翼の設計は一新され、スーパーコンピューター解析を利用して設計された三次元構造となっている。断面は後ろがせり上がっている少し変わった形状となり、前縁付近には小さな孔を多数開いている。この孔は空気流の一部を吸込むことで層流区域を40%以上前縁から後方へ移し、抵抗を減らしている。
さらに、翼はより細く長い形状となっており、強度問題を解決するために柔らかくしなるように設計されている。翼が細くなっているのは、翼表面を流れる空気が高速になると粘度を持ち、空気の流れる距離が短いほど、つまり、翼が細いほど抵抗が小さくなるためである。他にも、一般的な旅客機は直進性を増すために主翼を上反角となるように取り付けるが、翼の揚力が翼面から垂直に発生するために結果的に揚力が低下してしまう問題を、翼をしならせることで解決している。翼がしなるのであれば翼は自動的に上半角状態となり、直進性を向上させることができるためである。加えて、旋回時に翼が重力に対して傾くために降下してしまう特徴も、円弧の一部のようにしなった翼が常にどこかが円弧の底面となるために若干緩和された。これらを取り入れた第三世代機の翼は、従来の翼に比べて極めて優れた揚力係数を持っている。
しかし、翼幅は空港側の制限のために80m以内に収める必要があった。翼幅を80m以内に収めた場合のアスペクト比は7.5程度となってしまい、揚力係数が優れていても燃費はむしろ悪化する可能性があった。これに対してL-500は、翼端を上方向へ垂直に立ち上げる折り畳み翼を採用することにより、折りたたみ時には80m以内に収めることに成功した。
高揚力装置はLC-Xで試験されたトリプル・スロッテッド・フラップの改良型へ変更され、主脚にA340が搭載したロッキング・ボギーを採用した。これは引き起こし角の限界を更に大きくとれるようにし、離陸性能を向上させるためのものである。さらに、スラストリバーサーは搭載している四基のエンジン全てに搭載されている。これらは国際空港以外の滑走路でも離着陸を可能とするために短距離離着陸能力の向上を狙って用意されたもので、実際、L-500が離着陸に必要とする滑走路の長さは3500m程度となっている。
エンジンは350kNを発揮するLGE-AS-350を四基搭載している。Aシリーズは珍しく3軸式レイアウトを採用したエンジンで、他にも可変静翼機構や、チタン製中空ファンブレードなどの変わった技術を使用している。チタン製中空ファンブレードは摩擦攪拌接合によりチタン薄板の外周を接合し、その板の間に金型の中で液体を注入した後に加圧することで三次元的に成型している。改良型のBシリーズではブレードの素材を炭素繊維強化プラスチック中心とし、チタンは前縁部分のみとなっている。
バイパス比は9.5:1で、希薄二重環状予混合機燃焼器の採用によりバックファイアの防止と燃費の改善を共に行っている。また、エンジン始動と発電の両方を行うスタータジェネレータを採用したことで、従来は圧縮空気とスタータタービンにより行っていたエンジン始動の電動化や、エアコンディショナーや翼縁解氷装置なども圧縮空気を使わず電気化することに成功している。これによって圧縮機からの抽気をほとんど廃止することが可能となり、燃費が向上した。
動翼を動かすアクチュエーターやブレーキなどの油圧系や、エンジンスターターや機内用エアコンディショナーのコンプレッサーなどなど、787では多くの駆動系装置が電化された。これに合わせて発電量の強化も行われ、一つのエンジンに二つの発電機を搭載している。発電機もダイナモから、電気を逆に流せばスターターモーターとして機能するジェネレータを使用し、エンジンの始動に必要だった低圧コンプレッサーを必要としなくなった。
発電機の増強による重量増加は、油圧系配管が軽く細い電気ケーブルに置き換わったことや、逆噴射装置の電化により、多少の増加で済んでいる。加えて、油圧系からのオイル漏れの心配がなくなった事によるメンテナンス性の向上などの副次効果ももたらされた。
コックピットはL-180-D?と同じものを使用している。仮眠用のベットが二台、予備パイロット用の椅子が二台追加で設置されている。
客室は他の超大型旅客機よりも更に大きく、キャビンの総面積はB747-400の約1.6倍、標準座席数はファースト、ビジネス、エコノミーの一般的な三クラス構成で570席となっている。例として、リーベリグループはオールエコノミーのモノクラスの870席仕様と、通路を一本とし、座席ごとにベットを配置したトップクラス仕様を提案している。機内照明はLEDで統一され、複合材料の使用による腐食性等の問題の解決による加湿器の搭載など、様々な点で改善が行われている。
内装は航空会社の要求に応じてオーダーメイドに近い仕様にすることが可能になっている。また、広い機内空間を活かしてラウンジやバー、シャワールームなどを設置することで客船に匹敵するサービスを提供することが可能であるとしている。
これらの高級サービスは、10,000km以上の超長距離路線を一度も着陸せずに飛行するために飛行時間が10時間以上になることも珍しくないL-500にとって、非常に重要なものとなっている。
貨物モデルはULDのLD3を25個搭載することができる。
機体空虚重量は223tで、最大離陸重量は580t、貨物モデルのペイロードは190tとなっている。優秀なペイロードにより、An-124などが担当している通常の輸送機では輸送できない超大型貨物を一部引き受けている。
これらの再設計はB777と同じようにコンピュータにより全ての設計を行うこととされた。元々L-180-BやL-300-Aの開発などで部分的な部分をコンピュータで設計していたとはいえ、当時のリーベリグループにとってこれは新しい試みであった。これは成功し、L-500の設計コストは当初の予定よりも大幅に下がることとなった。
軍用輸送機モデルについてはLC-200?を参照。
vuirushu001
thermidor
jonsons100
コメントをかく