エーレスラント野戦陸軍教範概説
最終更新：
arsenal_002 2020年05月30日(土) 17:27:39履歴
エーレスラント野戦陸軍教範概説
CMP-2003H7
概要
目的
中規模包囲
防空の重視と攻勢航空作戦の軽視
損害を受けた部隊による諸兵科連合部隊の再編成
まとめると(概説の概説)
CMP-2003H7
概要 
本マニュアルは陸軍大学の学長であるディバイダル中将が発案し、2003年に採用された、エーレスラント国防軍の戦闘教範である。赤軍の縦深攻撃に対抗するために、1990年代に成立した空陸一体の機動戦「エアランドバトル」を発展させ、RMAに適応させたものが本マニュアルである。幾度かの改訂を経験したこの野戦教範は今日、戦闘主体と火力の指向系、そして発案者の名前に由来する「ディビジョナリー・アサルト」と呼ばれている。
目的
本教範では他の多くの戦闘教範と同じく、最終目標は敵野戦軍の無力化にあるとしている。その過程について、本項の条文では「固定部隊の諸兵科連合師団と、救援の機甲師団が合流することによって生じるアウトナンバーによって、連隊から師団規模の敵部隊の包囲殲滅を繰り返し、敵の戦力を漸減する。然るのちに、十分な戦力差から生じたギャップから、再編された諸兵科連合部隊を長距離浸透させ、戦線の前面と背面で包囲し、作戦を決着する。」と定義している。
過去の諸外国の陸戦教範と比べたときの特徴は以下の3点である。順に解説する。
��1個師団を対象とした迅速な中規模包囲の繰り返し
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�Ｂ山欧鮗�けた部隊による諸兵科連合部隊の再編成
過去の諸外国の陸戦教範と比べたときの特徴は以下の3点である。順に解説する。
��1個師団を対象とした迅速な中規模包囲の繰り返し
�∨俵�の重視と攻勢航空作戦の軽視
�Ｂ山欧鮗�けた部隊による諸兵科連合部隊の再編成
中規模包囲
本マニュアルの核となるのが、連隊〜師団という戦術クラスの部隊に対する中規模包囲の繰り返しである。戦線は即応部隊である諸兵科連合師団が貼り付き、航空支援と砲撃支援によってこれを維持する。援軍である機甲師団は、概ね1個諸兵科連合につき1個機甲師団が当てられ、機甲師団の戦力はそのまま包囲に振り向けられる。機甲師団は3個の基幹旅団から成り、それぞれの旅団は一翼包囲、戦線の打通、後背への浸透という役割をそれぞれ担っている。機甲師団に所属する強力な全般支援砲兵は、敵の予備兵力を破壊し、円滑に包囲と浸透が進むように支援する。戦線の打通は、敵部隊の殲滅を優先する場合は側面を、戦線の維持を優先する場合は正面を狙う。敵が極めて強力な場合、一翼包囲のみを行い、戦線を流動化させて時間を稼ぎ、他正面の作戦成功を待つこともある。この戦術の対象は1個連隊から3個師団までの範囲であり、それを超える軍団規模の包囲殲滅は、本マニュアルでは時間と兵力に余裕がない場合の最終手段に位置付けられている。
防空の重視と攻勢航空作戦の軽視
前述の中規模包囲シーケンスを行う必須条件は、豊富な兵力でも強力な砲兵支援でもなく、長期間にわたる絶対的な航空優勢の確保である。戦線上空、すなわち敵正面後背20kmまでの防空は何よりも重視されなければならない。これを維持するためにNIFCCAネットワークを利用した戦闘機による迎撃と、PAC-3MSE地対空ミサイルによる縦深防空網を、戦線上空から後方集積地にかけて構築している。教範では1地点をカバーするPAC-3の数は6中隊以上が望ましいとされているため、正面50kmを担当する1個諸兵科連合師団につき4中隊のPAC-3が配備されている。一方で、本マニュアルは近接航空支援を除いた航空作戦には消極的な立場を示している。これは、縦深爆撃をATACMSなどの戦術弾道ミサイルである程度代替できること、現代の発達した兵站ネットワークに対して、持続性に乏しい空爆でその妨害を行うことは現実的ではないこと、何より防空と近接支援以外に割ける航空機のリソースがないことが理由として挙げられる。
損害を受けた部隊による諸兵科連合部隊の再編成
自身の受け持つ正面の中規模包囲が成功裡に完了した部隊、もしくは戦闘部隊の半数以上が無力化されるような大きな損害を受けた部隊は一度後方に下げられ、再編される。師団は解体され、大隊は統合と再編、再訓練は行われる。そして戦闘単位に復帰した大隊は4個大隊からなる連隊戦闘団(RCT)の麾下に置かれる。12個連隊戦闘団で1個浸透機動群(IMG)が編成され、1個IMGは中規模包囲が成功し、ギャップが複数あるエリアから突入。敵の策源地を強襲し、その方面のC4Iと兵站をダウンさせる。その成功に呼応して機甲師団の残存部隊は一斉に攻勢転移、麻痺した敵軍を蹂躙、殲滅する。ダメージスコアリングによって損害が大きい部隊は強制的に引き抜き解体し、浸透機動群が編成された時点で戦争に決着をつけるために行動する。中規模包囲は、戦果報告によって情報部による詳細な分析に頼らずとも、必然的に敵の防御が薄い範囲を見抜くことが可能であり、最終段階での大包囲の成功をより盤石なものとしている。
まとめると(概説の概説)
・中規模の包囲を繰り返し、少ない損害で相手に大きなダメージを与える
・自軍上空の絶対的な航空優勢を確保し、時間を味方につける
・ATACMSのカバーが受けられる範囲で戦う
・損害を受けた師団はすぐに予備と交代、被害の拡大を防ぐ
・後方に突進するだけのIMGは専用部隊を作らず、損害部隊をリサイクルして編成する
・自軍上空の絶対的な航空優勢を確保し、時間を味方につける
・ATACMSのカバーが受けられる範囲で戦う
・損害を受けた師団はすぐに予備と交代、被害の拡大を防ぐ
・後方に突進するだけのIMGは専用部隊を作らず、損害部隊をリサイクルして編成する
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