架空国家を作ろう 第2.6世界線 - RQ-55
RQ-55 ヘレネー
基本情報
種類無人観測機
原開発国エーレスラント連合王国
運用者エーレスラント空軍
建造2008年4月
製造ノーマン・アエロスペース
性能
乗員0名
全長7.33m
全高2.76m
翼幅12.32m
空虚重量687kg
最大離陸重量1250kg
航続距離2300km
エンジン
エンジンNEM エミーリャ
推力44kN(ミリタリー)
36kN(経済巡航)
形式3軸ターボファンエンジン
燃料SPEL-C(推奨)
軽油
灯油
燃料消費率17.2g/kWh
メインモジュール重量20,335kg
圧縮機5段軸流低圧圧縮機
5段軸流高圧圧縮機
タービン1段高圧・2段低圧タービン
タービン素材7GNi基スーパーアロイ
合金組成Ni: 50.2%
W: 14.87%
Re: 10.25%
Ru: 10.03%
Mo: 7.24%
Cr: 6.20%
Hf: 4.54%
Ta: 3.30%
エンジン性能
直径190cm
タービン入り口流速225〜300m/s
タービン入り口温度1810℃
圧縮比24.8
ファン断熱効率96%
圧縮機断熱効率98%
燃焼温度1897℃〜2001℃
速度920km/h(巡航最大)
860km/h(経済巡航)
電子兵装
アビオニクスE/APY-18:広域海面監視レーダー
E/AQE-29:磁気探知装置
AN/AAQ-37:EODAS
AN/AAQ-40:EOTS
AN/ASQ-239:電子戦装置
AN/ASQ-242:CNIスイート
情報収集アセットAN/ASD-18:電子偵察スイート
AN/AAQ-209:FLIR
AN/AAY-8:熱源探知警報装置
AN/APR-161:統合パッシブアレイ
AN/AYQ-2B:MRA用演算装置ユニット
AN/USG-11:見通し線外通信PAAA
AN/USG-12:高速通信PAAA
AN/USG-13:衛星通信PAAA
E/APX-18 次世代IFF
C4INEMO B/L3
ACTN



概要

RQ-55はエーレスラント連合王国で運用されている無人偵察機である。RQ-55は前身のMQ-22と同じターボファンエンジンの推進式モノコック機であるが、機体はより大型化している。GPSを使用して事前に入力した経路を自動飛行させるのが基本的な運用法だが、オペレーターによる遠隔操縦も可能で、衛星通信にも対応している。搭載可能なセンサーには、EO/IR(電子光学/赤外線)センサーや合成開口レーダー、シギント用機材、電子戦用機材、通信中継用機材などがある。 UAVが活用されるようになった背景として、情報通信の技術革新がもたらした軍事兵器体系の変化、戦術ドクトリンなどの革命の中で、部隊と一体となった運用ができるようになったこと、作戦遂行に当たって不可欠な任務でありながら有人機にはあまりに危険であるものをUAVが代替できること、作戦活動の省人化・省力化・効率化 に貢献することなどが挙げられる。

設計

機体

高高度を長時間飛行するため、全長の3倍近い全幅とアスペクト比の極めて大きなテーパー翼を持った、グライダーのような外形をしている。胴体後部にターボファンエンジン単発を装備し、機首上部の盛り上がった部分には衛星通信用のアンテナが収められている。翼は炭素繊維複合材でできている。有人機の場合、緊急時の乗員の脱出のための射出装置を上部方向に設置する必要があり、脱出時に乗員を吸い込むことを防ぐために上部にエンジンの吸気孔を設置することができず、上部がデッドスペースになる。これに対して、無人機である本機は、吸気孔を上部に設置可能で、下部を地上探査のために有効に活用することが可能となっている。

RQ-55は高度21,212m以上の成層圏を飛行することができる。旅客機は通常12,497m程度なので、その約2倍ということになる。外観は誘導抵抗を減らすためのグライダーのようなアスペクト比の大きな主翼形状が特徴で、揚抗比は20以上であり、軽量化と非常に小さな空気抵抗により大型機ながら離陸後は急角度で上昇することが可能で、エンジン出力により低空ではそれなりの機動性を発揮する。

特殊燃料

ジェット燃料は超高高度でも高い安定性を実現するため『JPTS』と呼ばれるU-2専用規格品が使われる。

軽量化

RQ-55は軽量化を徹底した結果、降着装置が胴体前部と後部の2箇所にしかないタンデム式となった。離陸時には翼の両端に地上から離れるときに外れる補助輪をつけ滑走する。着陸時には支援車両がMQ-60と並走して翼が地面につかないよう指示を出しつつ十分に低速になったところで翼端を地面にすりつけ着陸、その後補助輪を装着され滑走路から移動を行う。

失速特性

10,000m以下であれば旅客機並の飛行が可能であるが、高高度を飛行中の最大速度と当該高度における失速速度の差はわずか18km/hであり、着陸時はタンデム式の降着装置と高い垂直尾翼により風に弱く、主翼の翼面荷重の低さやエンジンのアイドル速度の高さのため地面効果で浮き上がりやすいなど、前述した離陸方式と相まってもっとも操縦の難しい軍用機と呼ばれる。

エンジン

第7世代スーパーアロイタービン
超合金の耐用温度が上がると、エンジンに送り込まれる空気のうち、空冷に使う空気を減らし燃焼に使う空気の割合を増やせるため、燃焼効率を上げることができる。超合金の耐用温度が10℃上がると空冷に用いる空気を減らしたことで効率は1%上がる。タービンは複数段で構成されるから、耐用温度の上がった超合金を複数段に使えば、段数分だけ効率が上がる。

タービン入り口温度を10°あげるごとに熱効率は1%ずつ改善するとも言われている通り、燃費向上のためにはタービン入り口温度を向上させることが最も単純な解決策となる。フランカのタービンブレードは第7世代のNi基単結晶超合金を採用した。組成はNiをベースとして、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、タンタル、ハフニウム、レニウム、ルテニウムなどを加えたものである。フランカA4ではNiが58.9wt%、フランカC6では61.8wt%である。添加される元素は、それぞれ異なる合金特性発現の役割を担う。
Cr:耐腐食性
Mo:強度
W:強度・融点
Al:強度・耐酸化性
Ta:強度・靭性
Re:熱安定性・靭性・耐食性
Hf:熱安定性・靭性
Ru:相安定性
といった効果を持ち、ミクロ組織ではMo、W、Re、Ruがγ相の格子定数を拡大させている。第7世代スーパーアロイの鍵となる元素がレニウムとルテニウムである。ReはWに似た元素で1100℃の中温度域での強度向上に役立ち,固溶強化の機能がある。Ruは1000℃程度の低中温度域でのの強度向上とミクロ組織の高温長時間安定性に役立つ。
多軸圧縮式
大型航空機用エンジンとして開発されたND600の3軸式レイアウトを継承している。一般的な2軸式ターボファンより軸受機構が複雑化するかわりに圧縮機設計を最適化できるため、うまく設計すればエンジン全体として同規模の2軸式エンジンと同じ性能で小型軽量化、高剛性・低騒音化、高性能・高信頼化できる可能性があるメリットを鑑み、フランカに採用された。
即応性向上
多軸式とすることで、エンジン前方の低圧圧縮機が後方の高圧圧縮機よりも低回転になることでサージングを防ぎ易い点にある。また同じ理由で圧縮効率が上がり、段数の削減が可能になり、全長が短縮、軽量化され、燃費も向上する。特に発動時等の低速運転時にはこの効果が大きく、リードタイムの短縮にも効果を持つ。

単軸式ではこの予防のために可変式ステーターを必要とするものが多いが多軸式では不要になり易いため間接的ながらエンジン外周の構造簡素化と重量軽減にも効果を持つ。また、この回転数の差は低圧圧縮機と高圧圧縮機の直径に著しい差を持つ高バイパス比ターボファンにおいて大いに有利となる。最近開発されている超高バイパス比ターボファンには3軸が多くなってきている理由の1つにこれがある。設計の自由度が上がり、要求された多様な出力に応じてコンポーネントの流用が可能でファミリー化が容易になる。
ファミリー化
また3軸ユニット各々の規模を拡大縮小する事で、多様な性能と出力の需要に応えるファミリーを形成する事が可能になっている。例えば直径190cmのファンを持つミランダA3はコペンハーゲンの官庁の顧客によって要求される厳しい新騒音基準も満たしつつ、高い即応性と発電能力を維持する非常用電源として利用されている。

一方で、コアのサイズを変えることで高圧タービン入口温度は出来るだけ低く維持されるようになり、整備コスト低減も果たしている。A4とB4は同一の高圧系と中圧タービンを用いつつ高圧縮化されているが、これは中圧コンプレッサと低圧タービンの容量拡大によって達成された。 ターボ機構を完全新規で最適化設計したことにより性能が向上し、騒音・排出ガスレベルが改善されている。フランカA3シリーズで改良された高圧系を導入したフランカB7は大幅に性能が改善し、船舶用エンジンなどとしても広く利用されている。

固定静翼機構

普及用非常時ガスタービン発電機計画として、EG-X計画が始まった時、圧縮機システムはエーレスラントの競合他社とは異なり、可変静翼を全廃する予定方針を掲げた。複雑な可変静翼を全廃することで整備コストの低減が期待され、この方針は広く受け入れられている。

中圧作動機

ただし、中圧圧縮機の作動領域が限られてしまうため、加速時のサージ耐性を高めるには少なくとも中圧コンプレッサの最前列(インレット・ガイドベーン)を可動にすべきとした航空保安省の提言により、高出力モデルのフランカC5シリーズにはガイドベーンにのみ採り入れられている。

他の2軸式ターボファンでは必須の多数の可変静翼機構が3軸式のフランカには存在せず、簡略化、軽量化、信頼性向上が図られている。

電子兵装

無人化の利点

UAVは、機上にパイロットなどが搭乗していない航空機で、基本的に自律飛行し、 外部からの操作も可能なものである。搭乗員の生理的限界に伴う制約や搭乗員の生命に 関わる危険を考慮する必要がない。このことから、有人機では不得意とされる任務に適している。また、破壊されても人的損耗がないことから、航空優勢を確保していない敵の支配圏、人間では耐えられない環境で長時間にわたり飛行させることができる。つまり、UAV は、敵の潜伏地域でも、人的損耗の危険を冒すことなく、長時間にわたり継続して警戒監視などの任務にあてることが可能で、放射能などの大気の汚染された環境の下で、調査や情報収集することができるのである。他方、パイロットの判断が必要な任務や瞬時の判断を要する任務には向いていないと言われている。

先進的任務

さらなる技術的進歩により、UAVの能力は本質的に人間が不得意とする汚染環境や高脅威度環境の任務に加えて、人間の身体能力を超えた任務および有人機では不可能と思われる任務なものに及ぶようになっている。たとえば、広大な捜索や攻撃センサとしての機能を果たすほか、衛星通信や有人機による通信を中継して、増大する通信所要を補完する機能を果たすことができる。

任務

電子情報収集

ISR(intelligence, surveillance and reconnaissance:情報監視偵察)はUAV の代表的な用 途の一つである。MQ-60はSAR(syntheticapertureradar:合成開口レーダー)やGMT(I-ground moving target indicator:地上移動目標表示器)などの最新技術を使用している。コンピュー タにより多重に合成された画像を分解したり、移動目標の識別を行ったりして、また EO
(electronic optics:電子光)および IR(infrared rays:赤外線)のセンサによって真の画像を得て、その画像情報を世界のあらゆる場所で利用することが可能になっている。エーレスラント軍は、作戦地域の上空から収集した映像情報を商業用衛星・軍事通信衛星などを通じて、 エーレスラント本土にある軍事司令部だけでなく、CISSや DIA(Defense Intelligence Agency:国防情報局)にも配布して、詳細な偵察活動に役立てている。

戦略偵察

また、RQ-55はその高高度偵察能力から、極秘裏に実施される戦略的な情報収集に役立つ。 高度40000mに滞空できる性能を利用して広域の偵察・監視に用いられる。UAV には、画像センサのほか、電波収集センサなどが搭載されている。

SIGINT

RQ-55の機上センサで取得された情報は、通常地上の指揮統制装置ないしは地上管制装置において、汎用の広域通信ネットワークまたは戦術通信ネットワークと連接されて、軍の作戦本部だけでなく、国家の情報機関へも提供されて、対象国の軍事動向を探る手段となる。

センサ

ISRデータ収集アセット

RQ-55のISRデータ収集に使用するセンサには光学/赤外線カメラ及びレーダが使われている。特にレーダは情報収集の重要なセンサであり、ISRの能力を表すといっても過言ではない。このため、レーダの名称等は公表され ているものの性能については公表されていない。判明している情報では、 MQ-60のレーダーはE/ZPY-7 MFAS と呼ばれ、海上目標の追跡、船舶の分類が可能である。一方、UQ-60のレーダは地上低速移動及び巡航ミサイ ルの追跡が可能である。すなわち、RQ-55とUQ-55の主な違いはレーダ であり、ISRの対象領域が海上か地上かで軍種ごとに使い分けされていると言える。