架空国家を作ろう 第2.6世界線 - PV計画

概要


PV計画はリーベリグループが行った、一連の地面効果翼機開発計画である。PVはトビウオのラテン語「Pisces Volantes」から来ている。
地面効果翼機は高速艇以上の速度と航空機の数倍もの積載量を実現出来る夢の存在として、カスピ海のみならず、アルミヤ連邦共和国東部における輸送の主力を担っている。

歴史


1996年春、アルミヤ連邦共和国陸軍は高速で兵員と兵器を輸送できる輸送車両を求めていた。そこで、カスピ海の周辺が極端と言えるほどに平坦な事に注目したリーベリグループが提案したのが地面効果翼機であった。
リーベリグループは東部を除く全ての地域へ地面効果翼機が飛行できるルートを作成し、軽量級と重量級の実現可能な性能をまとめ、軍へと提出した。その内容は軽量級ですらMBT 2両を、重量級に至ってはMBT 4両〜5両を400km/h程で運べるというもので、機甲師団と機械化歩兵師団を主力とし、機略戦を中心としたドクトリンを構築していた陸軍にとって、この性能は非常に魅了的であった。
陸軍空軍と共に夏までに以下の要求仕様を決定し、リーベリグループに提出した。
  • 大型機
    • 平坦な陸上でも運用可能であること
    • 4両以上の重装甲戦闘車両を搭載できること
    • 満載状態で350km/h以上での巡航を行えること
  • 小型機
    • 平坦な陸上でも運用可能であること
    • 2両の重装甲戦闘車両を搭載できること
    • 1個小隊分の人数を輸送可能であること
    • 満載状態で400km/h以上での巡航を行えること

リーベリグループはこれを受けて1998年の春に試作機を二機制作した。この試作機はPV-1とPV-2と呼ばれ、PV-1は250t級の小型機、PV-2は700t級の大型機であった。
1998年の夏にはカスピ海水上での試験が、秋には地上での試験が行われ、共に優秀な結果を残した。陸軍はこの結果に満足し、2001年までに量産機を完成させ、量産を開始する指示を出した。
リーベリグループは無事に2000年秋に量産機を完成させ、量産を開始した。


機体

量産機は200t級、700t級の2種類が存在する。
PV-200
兵員300名と歩兵用装備、もしくは重装甲戦闘車両2両を輸送可能な貨物室を持つ、PV計画の中で最も小さい機体である。最も小さいと言いながら機体重量が200tもあるのは、地面効果翼機の特性上大型機の方が安定するためである。
234kNの高バイパス比ターボファンジェットエンジンを2基採用し、機体前方側面に一基ずつ配置されている。その特徴的な外見により兵士からはチェブラーシカと呼ばれている。
水上での運用を主とするため、機体下部は水上機のような形をしているが、地上での運用を考慮し格納式の降着装置と、停止用の逆噴射機構を搭載している。
最高速度は480km/hで、満載状態でも410km/hでの巡航が可能となっている。民間用への生産も進められており、現在カランドグループの貿易部門が2機を購入している。

仕様
  • 乗員 6名
  • 搭載量 300名+装備 または 重装甲戦闘車両 2両 など
  • 全長 73.3m
  • 全幅 42.3m
  • 全高 20.4m
  • 最大離陸重量 214,050kg
  • エンジン LGE-Tf-230×2
    • 出力 234kN
  • 最高速度 550km/h
  • 巡航速度(満載) 480km/h
  • 航続距離 1700km
  • 最高高度 7m

PV-700

重装甲戦闘車両を6〜8両、軽装甲車両を16両輸送できる、PV計画のみならず、全ての航空機の中でも最大の航空機である。なお、旅客機モデルと同時に設計された兵員輸送特化機の場合、装備と共に1500名を輸送することが可能となっている。
400kN超えの高バイパス比ターボファンジェットエンジンを4基、垂直尾翼側面部に2基、機首側面部に2基配置している。1300kN超えという圧倒的な出力は、その機体重量に見合わない巡航速度450km/hという異次元の速度を提供している。
PV-200と共に陸上での利用が考えられているため、降着装置と逆噴射機構を搭載している。なお、降着装置は16脚という規格外の領域に突入している。
民間用への生産も進められており、カランドグループが一機を保有している。

仕様
  • 乗員 6名
  • 搭載量 重装甲戦闘車両 6〜8両、軽装甲車両 16両、歩兵 700名+装備
  • 全長 108.7m
  • 全幅 52.3m
  • 全高 23.4m
  • 最大離陸重量 735,000kg
  • エンジン LGE-Tf-430×4
    • 出力 434kN
  • 最高速度 520km/h
  • 巡航速度(満載) 450km/h
  • 航続距離 1700km
  • 最高高度 12m

航路

カスピ海北部と東部のビーチを陸上へ上がれるよう、緩やかにコンクリートで整備した道が存在する。航路は基本立ち入り禁止であり、限られた「踏切」は機体が接近する際サイレンを鳴らし、周囲に接近を伝える。