架空国家を作ろう 第2.6世界線 - E/FPS-231
E/FPS-231
諸元
アンテナ対数周期アンテナ×28(送信所)
モノポールアンテナ×960(受信所)
送信機SiC-MOSFET使用デジタル送信機
周波数10-23MHz
ピーク送信出力11.2MW
パルス幅50-200μs
パルス繰返周波数50pps
カバー範囲90°
最小探知距離900km
最大探知距離4000-8000km(電離層の状況により変動)
分解能15km

解説

水平線を超えて目標を探知することができる、特殊なレーダー。精度はあまり高くないが、従来のレーダーでは原理的に不可能な場所も捜索することができる。
このレーダーの原理は、電離層が短波を反射することによる。電離層は大気の上層にあるので、アンテナから空に向かって放射された短波は、宇宙に行くことなく反射し、水平線の向こう側に届く。一部の反射波はルートを逆に辿って戻り、アンテナで捕捉される。ただし、これだけでは地面からの反射波に本来得たい信号が埋もれてしまうので、ドップラー効果を用いて後者のみを抽出する。これにより水平線の向こうが見えるようになるが、いくつか制約がある。まず、電離層の状態により探知可能距離が変動する。次に、精度や分解能に劣る。そして、広い範囲に短波通信への干渉が発生する。これらの欠点により、手に入る情報はやや粒度が粗く、主に捜索用として用いられる所以になっている。ただし、周波数の低さは幾分プラスにも働き、例えばこのようなレーダーにステルスはあまり意味をなさない。
このレーダー自体の特徴としては、送信機にSiC-MOSFETを用いていることが挙げられる。従来のシリコン製素子と比較して高効率なので、運用コストの削減が図られている。小型艇や弾道ミサイルすら探知可能な性能と引き換えに最大出力は極めて高く、無人地帯に設置するか、さもなくば激しい通信障害を引き起こすかのいずれかである。距離の測定にはパルスFMCWが用いられている。