北極航路保全条約
前文
北極航路は、スエズ運河やアフリカ大陸を経由せずに北ヨーロッパから太平洋にアクセスできる新航路として期待されていたものの、北大西洋を上回る荒い海象や流氷の影響から、実現することはなかった。しかし、近年の地球温暖化の影響により、安全な商用航路が確保されつつあり、北半球内の輸送コストが大きく削減できる可能性が示された。
北極航路保全条約は、商用航路としての北極航路の安全を確保し、加盟国の経済発展を促すことを趣旨とする。
第一条
条約の実行機関として、全加盟国により北極航路保全機関を組織する。また、北極海航路の保安と管制のため、北極海上交通管制本部をロッテルダムおよび
ロパトカに設置する。本部には管制担当者のほか、加盟国の文民と武官が常駐するものとする。
第二条
本条約が規定する北極航航路とは、付録1に示す西回りの海上交通路である。
付録1
第三条
北極航路保全機関の認証を得ていない全ての船舶について、北極航航路を通航することを禁止する。
第四条
緊急時の補給と整備の共通化を図るため、機械油および燃料については、北極航路を通航する船舶はPLM帝国当局が指定する製品を使用する。
第五条
北極航路を通航する全ての船舶の再保険を、ロッテルダム海運保険が引き受ける。また、コンテナ、航法機材などの船舶機器については、エーレスラント連合王国当局が指定する製品を使用する。
第六条
本条約は国際海洋法に優越する。
第七条
保全機関はその職務により知り得た情報について、守秘義務を負う。