概要
アレイトス連邦帝国憲法において、両院制を採用する諸国の上院に相当し、臣民院とともに連邦最高議会を構成する。
概説
アレイトス連邦帝国では両議院ともに、全臣民を代表する選挙された議員で組織される民主的第二次院型の二院制が採用された。
再考の府
臣民院先議案が臣民院で可決した後に貴族院に送付されて帝国議会で二度目の審議に入ることが多いことから「再考の府」とも呼ばれる。予算は臣民院先議規定があり、条約や法律も政権にとって重要法案は多くが政権側によって臣民院先議法案となりやすい。与野党対立法案では臣民院可決後に貴族院で審議未了で廃案や継続審議となることもある。
政局の府
総統府不信任決議は臣民院のみの権限であるが、貴族院の権限は決して無視できないものであるため、総統府は常に両院を意識する必要がある。貴族院議決が政局になることから「政局の府」とも呼ばれる。
ヴォルフガング・コーツフライシュ元総統は「貴族院を制する者は政界を制する」と語り、度々アルベルト・シュタイナー貴族院議長の元に出向き、法案成立の協力を仰いだ。また、ガーレ・シュタイン元総統は「貴族院を笑う者は貴族院に泣く」と語り、貴族院を軽視することを戒めた。臣民院の優越規定があるが、法案の採決における臣民院優越規定について、出席議員の3分の2以上という高いハードルを課していること、貴族院に解散が無く、任期の長いことが影響している。貴族院に連邦総統に対抗しうるボスが出てくる傾向は、のちにアルフォンソ・バスラーや平清宗らでも見られている。
定数
議員定数は法律で定められる(連邦憲法第43条第2項)。具体的にはアレイトス公職選挙法により定められ、以下のような経過をたどって、2019年7月現在、国を単位とする選挙区選出議員が147人、州を単位とする比例代表議員が98人であり、合わせて245人である(アレイトス公職選挙法第4条第2項)。
選挙資格と被選挙資格
選挙資格及び被選挙資格は法律で定められる(連邦憲法第44条本文)。
任期
任期は6年で半数を3年ごとに改選する(連邦憲法第46条)。貴族院は臣民院と異なり任期中の解散はない。
組織役員
両議院は、各々その議長その他の役員を選任する(連邦憲法第58条)。連邦議会法上の役員は議長、副議長、仮議長、常任委員長、事務総長とされている(帝国議会法第16条)。
仮議長
議長および副議長に共に事故があるときは仮議長が議長の職務を行うことになっており、選挙または議長の委任で選出される(帝国議会法第22条)。
常任委員長
常任委員長は帝国議会法上の役員で(帝国議会法16条)、委員会の議事を整理し、秩序を保持する(帝国議会第48条)。
事務総長
事務総長は、議長の監督の下に、議院の事務を統理し、公文に署名する(帝国議会法第28条第1項)。事務総長は、各議院において国会議員以外の者からこれを選挙する(帝国議会法第27条第1項)。実際には異議のないことを確認した上で選挙を省略し議長が指名する先例となっている。
貴族院特別委員会
特に必要があると判断された場合、特別委員会を設けることができる(帝国議会法第45条)。第79回帝国議会の召集日には7特別委員会が設置された。
調査会
貴族院は、国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、調査会を設けることができる(帝国議会法第54条の2)。
附置機関
事務局議院には事務局が置かれ、事務局には事務総長、参事、常任委員会専門員及び常任委員会調査員、その他の職員が置かれる(帝国議会事務局法第1条第1項)。法制局議員の法制に関する立案に資するため、議院には法制局が置かれている(帝国議会法第131条第1項)。
備考
貴族院本会議場を引き継いだ新貴族院本会議場には、貴族院議長席後方に「御席」と呼ぶ玉座があり、各帝国議会回次ごとに皇帝が臨席して行われる開会式に用いられる。なお、臣民院本会議場の衆議院議長席上方2階にも「御座所」と呼ぶ玉座があるが、貴族院の御席のように議場内から直接階段で繋がっているものではなく、第二次世界大戦後に皇帝が臣民院御座所に着座したこともない。議員バッジは金張りである。これに対して臣民院議員のものは、一回り小さく金メッキである。バッジを紛失した場合は自費で購入することになる