架空国家を作ろう 第2.6世界線 - 王立行政学院
王立行政学院
基本情報
種類省庁幹部学校
目的行政府および禁衛府の幹部職員候補生の養成
設立年1931年6月16日
学長ハロルド・ミカエリス
職員数1,928人
学生総数75名(A課程)
160名(B課程)
22名(N課程)
5名(U課程)
所在地エーレスラント連合王国
シェラン特別区77番合同庁舎
略名RIM



概要

王立行政学院はエーレスラント連合王国の王立高等教育機関。一般的な大学とは異なり、一般教養の涵養ではなく、社会発展に直接寄与する優れたテクノクラート養成を目指す。王立行政学院では中等教育を修了した者またはそれと同等以上とみなされた者が知識・倫理・技術などを深く学び、さらにそれらの理論や実践を身に付ける。エーレスラントの中央省庁の幹部職員を育成する省庁幹部学校の最高峰の1つに数えられる。

王立行政学院は建国直後の1931年に当時のブレーメン市長であるドナテッロ・ドーリアが設立した。国の指導層を輩出する教育機関として発足、厳しい入学試験が行われ、卒業生には成績に応じて中央官庁等への配属が約束される。行政府院長や最高裁判所長官、閣僚等には王立行政学院出身者が多く、前エーレスラント行政府院長のルイ・フィッツジェラルドも卒業後、財務省監察総局に入省というエリートコースを歩んだ。王立行政学院については、同じようなタイプのエリートを再生産するばかりであり、また、エリート層が自らの間だけで重大な決定を下し、なれ合いの関係が構築される温床になるとする批判の声が以前からある。

生徒は理工系を中心に政治・経済・軍事・芸術に至るまで職業と関連した諸学について、エーレスラントにおける最高クラスの教育が与えられる。卒業生はエーレスラント社会での支配階層を占めている。行政学院は前期高等教育修了後、難関の選抜試験に合格後入学する。敢えて比較するなら諸外国の大学院修士課程に相当するが、特に名門中の名門とされる行政学院には高等教育機関に所属するエーレスラント国民の内、1学年から100人程度しか進学できないとされている。行政学院卒業後は専攻した分野のエリートとして扱われ、実際に政・官・財・学すべての分野においてその卒業生が多数活躍している。 結果として、行政学院は学生が非常に競争的な入学試験を受ける。このようにしてエーレスラントでは極めて選抜的な社会的エリート育成システムがとられている。

卒業後

卒業生はエーレスラント社会での支配階層を占めており、政府の実務者級の要職はほとんどが王立行政学院の卒業生に占められている。ゆえに、行政学院出身であることは生半可な爵位よりも強い効力を発揮する。しかし、卒業生が少数であることや、特定の専門分野について職業教育を行うというエーレスラント独自の学校形態であることもあって、ヨーロッパおよびエーレスラント文化圏以外の人々にはその存在や影響力が詳しく知られていないことも多々ある。

進学キャリア

エーレスラントにおいて、アッパーミドル以上の層は圧倒的な学歴社会である。出自と学歴の両方を求められることも少なくないが、就職および就職後のキャリアについても行政学院出身者と行政府総合職試験を突破したセレクション出身者では歴然とした区別がある。行政学院出身者は高級官僚あるいは大手企業のエリート幹部として将来を嘱望される他方で、総合職試験出身者は厳しい出世競争を余儀なくされる。このような「区別」について批判がないわけではないが、行政学院の人気は年々高まっている。また、卒業すると無条件でエーレスラント国籍と永住権が与えられるため、外国人の入学希望者も多く、2019年の準備校選抜では倍率は3400倍に達した。

王立教養学院による選抜

省庁幹部学校への入学を希望する生徒は、王立教養学院に所属する必要がある。王立教養学院は独立した学校ではなく、主に、名門高校におけるバカロレア取得後の進学コースのようなものであり、前期高等教育に位置づけられる。
コース別倍率
王立教養学院に進学できる子女の数は限られており、そこからさらに省庁幹部学校に進学できる学生数も制限されている。高等師範学校の文系専攻の場合は合格率0.1〜0.3パーセント程度。ただし理系の学校は専門が細分化されており定員枠も文系よりも遙かに多いため、合格率は2%を越える。
予備選抜
なお、かつては教養学院の選抜試験は学校単位で実施されていたが、現在は試験は全国で一括して実施され志望者が特定の学校を選択することはできず、試験結果に応じて入学する学校が指定され、2年次進級できなかったものは、大学に編入することが多い。なお、人気の省庁幹部学校を受験できる回数は3回までに限られており(合格するまでは「留年生」として準備学級に在籍できる)、3回以内で合格できなかった場合には通常の大学に進学せざるを得ない。また、教養学院の大半は公立で無償であるが、高収入の家庭でなければ授業料を払うことすらも難しい私立校も若干ある。

行政学院への入学および進級・卒業はいずれも難度が高い。行政学院を目指す者は高校卒業後、テストと面接を経て王立教養学院に入学する。王立教養学院における2年間の成績で、進学可能な省庁系高等教育機関が決まる。行政学院や法務学院、検察学院などが人気で、1200人の同級生が10~30枠を巡って争うため、競争は熾烈なものとなる。教養科以降は王立行政学院等の最上位幹部学校修了まで苛烈な競争に耐え抜くことになる。エーレスラントの多くの行政府院長や政治家や高級官僚は、王立行政学院や王立政治学院などの幹部学校を卒業した者である。

最終選抜

教養学院をトップクラスの成績で卒業した者は、幹部学校の選抜試験へと進む。選抜試験は、筆記(論文形式)と面接による試験である。試験内容は、専攻する学問に関連する領域における論文を作成するもの。例えば高等警察学校の場合には試験は二次に渡って実施される。一次試験では歴史学、哲学、社会学などの領域を対象(専攻領域によって対象は異なる)として、「××(歴史的な出来事)のエーレスラントにおける意義」と言った広汎な設問に対して論理的かつ詳細な論述が求められ、同時に数十ページに渡る外国語テキストの翻訳の語学試験(2カ国語以上)も実施される。論述試験の場合、試験時間は一領域あたり6時間程度、語学の場合でも4時間程度を要するため、一週間程度の期間に連続して試験を受けることになる。二次試験では、一次試験と同様の論述試験と共に、数時間で論文を読破した後にその内容に関する詳細な説明や討論が求められる面接試験が実施される。

教育

週に30時間程度の授業、10時間の数学、10時間の物理、10時間の科学に加え、計算機科学、エーレスラント文学と英語についても勉強する。授業の他に大量の宿題を課される。毎週、4時間の試験があり(週によって教科は変わる)、クラス内の順位が発表され、この順位は準備期間中ずっとついて回る。週に2~3回、オーラルと呼ばれる口述試験がある。オーラルには1人の教授に対し3人の学生が対峙し、教授に出されたそれぞれの質問に黒板を使って説明しながら答える。

歴史

1931年の建国に合わせ、競争に基づく高級官僚養成を進める民主的制度を体現する機関と位置づけられて設置された。大学・大学院卒業者から毎年80〜100人の極めて優秀な学生を選抜し、2年間の教育と高難度の数次の試験を通じて学生を篩いにかけ、卒業生は成績に応じて中央官庁の重要ポストや県副知事などに任命される。国家運営に必要な専門的な知見や能力を身に付けさせる点で、高度な職業学校ともいえる。

評価

同校と歴代OB・OGのエリート集団は常にある種の批判にもさらされてきた。確かに「能力次第による選抜と出世」は公平で民主的なのだろう。しかし、「王立行政学院出身者」たちが高級官僚や地方行政を牛耳ってしまうことから、それ以外の人々にとっては高位の官職に就く道が事実上閉ざされたに等しい。さらに、現実には入学生たちのほとんどが、文学や芸術の愛好といった上流社会の嗜好を共有する家庭の子女で占められるようになったことから、上流家庭と同窓会が暗黙の共謀関係を築き、エリート層を再生産している、との批判まで起きている。

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