架空国家を作ろう 第2.6世界線 - フィリップ・アンデルセン級沿海域戦闘艦
フィリップ・アンデルセン級沿海域戦闘艦
艦級概観
艦種沿海域戦闘艦
運用者エーレスラント海軍
サブクラス''フィリップ・アンデルセン級(LCS-22〜LCS-28)
ウィリアム・ヤン級(LCS-29〜)'
建造2001年9月1日〜
就役2004年8月4日〜
建造費2,873億クローネ
建造所ユーロバス・ロジスティクス
性能
満載排水量61,770トン
全長320.9m
全幅33.23m
吃水10.8m(満載)
機関SCWR-4 加圧水型原子炉×4基
出力448,700馬力
速力34ノット以上
乗員1430名(個艦要員)
1080名(司令部/海兵隊用マージン)
兵装Mk.161 連装410ミリ速射砲:5基
E/VLS-3 垂直ミサイル発射装置:48セル
Mk.76 連装ペンギンSSM発射筒:16基
Mk.102 RAM:4基
レーダーAN/SPY-3 MFR:3面
AN/SPY-8 ASDR:4面
AN/SPS-73 対水上/航海用:1基
“ソナー”AN/SQS-60 中周波式:1基
AN/SQS-61 高周波式:1基
AN/SQR-20 曳航式:1基
“妨害装置”AN/SLQ-32(v16) 電波探知妨害装置:1基
AN/SAQ-1 指向性エネルギー赤外線妨害装置:4基
AN/SLQ-58 ノイズバルーン展開装置:4基
Nulka:2基
SRBOC:4セット
“C4ISTAR”GCCS-M
NTDS/MADL
テミスシステムB/L9X
AN/SQQ-90
搭載機哨戒ヘリコプターを4機まで格納可能

概要

安価な遠隔地に対する火力投射を行うため、エーレスラント海軍が運用している沿海域戦闘艦である。航空撃滅戦が終わった後の見通し線内揚陸支援や、低強度目標に対する持続的火力支援など、LCS-Xとして開発された本級はそうした比較的ローエンドな軍事環境における沿海域での戦闘を重視した設計の新型艦である。主たる目的としては対地支援、哨戒、情報収集、臨検、対潜水艦戦、対機雷戦などである…と対外的には説明されているが、『高価で超高性能な戦闘艦でSSMが飛んでくる浅海域に堂々と殴り込みかけて沿岸どころか内陸の敵も強力な主砲火力で真正面から叩き潰す』ことがコンセプトの超ハイエンド艦である。建造費はミサイル巡洋艦4隻分、空母と同等の電子兵装と二重船殻、そして高張力鋼装甲を備えた本級は現代の戦艦と言っても過言ではない。リーマス海軍研究所は本級を巡洋戦艦に分類している。

設計

ヨハン・ホロ級を更新する目的で、1990年からLCS-Xとして計画された。沿海域戦闘艦の名称は、全級を継承したものだが、エーレスラント海軍において沿海域戦闘艦は沿岸警備艦を意味しない。沿海域での作戦能力とは、自国沿岸ではなく、空母を中核とする打撃部隊よりもさらに前線で活動し、上陸支援や前線センシングを行う『敵国の沿海で戦闘できる能力』と定義されている。この要求を満たすために、アンデルセン級は大型化。多少の被弾被雷によって作戦能力を喪失しない堅牢さと、任務部隊と打撃部隊、果ては原潜部隊にまで追従できる速度を追求した結果、大戦期の巡洋戦艦のようなフォルムが採用された。

戦闘力

ファン・ホルテン級ミサイル巡洋艦は144セル、エシャロット級駆逐艦は96セルの汎用21インチVLSが装備されているが、本級には48セルが搭載されているのみである。そのセルの内訳も、48セルのうちの大半が自衛用のESSM Block.2+やVLA mod7で占められ、ミサイル打撃能力はほとんど与えられていない。ペンギンSSMも16発装備されているが、被弾による誘爆を防ぐために装甲区画内に納められ、現在はロイターUAVの発射筒として運用されている。

主砲

本級の主兵装はミサイルではなく主砲である。アナクロニズムと揶揄され、批判の対象となった主砲への兵装転換だったが、本級の主砲は結果から見れば概ね成功だったと評価されている。Mk.161として制式採用された本級の主兵装は、21世紀の『戦艦』の主砲として砲熕兵器の問題点とされている命中精度、砲弾の破壊力、射程などを概ね克服している。

Mk.161は全く新しい410ミリの対艦対地両用砲として設計された。パワーメカトロニクスが発展した今日において、装填速度、薬室圧力、射程、精度、その全てが大戦期の戦艦主砲を大きく上回っている。装填機構は完全自動化され、力量50トンのラマーが1.4トンの強装砲弾を薬室に送り込む。
Mk.161 連装55口径410ミリ砲
  • 型式:2連装
  • 口径:410mm
  • 銃身長:55口径
  • 重量:1340トン
  • 全長:28.87m
  • 駆動方式:油気圧式-12000hp
  • 砲身冷却方式:水冷
  • 射撃速度:10発/分
  • 装弾数:330発
  • 予備弾倉:330発×2

使用されるのは主にGPS誘導砲弾だが、非誘導弾の命中精度を向上させるために2000トンのジャイロスタビライザが装備されている。揺れ因子を察知した航行コンピュータは自律的にスタビライザの回転速度を補正。艦の動揺を能動的に打ち消すアクティブ型の安定装置となっている。1門撃つごとに動揺を打ち消してから次弾を撃つため、この補正間隔が射撃のボトルネックとなっている。スタビライザを射撃モードから航行モードに切り替えて、精度低下をある程度許容して誘導砲弾を高速で大量に投射する方式では、ものの1時間で弾薬庫は空になると見積もられている。
M909 ミリ波誘導砲弾
重量:1425kg
直径:410mm
全長:2080mm
種別:装薬一体ケースレス弾頭
シーカー:ミリ波/赤外線画像誘導
砲口初速:1020m/s
終速:720m/s
射程:160km(滑空最大) 40km(投射最大)

上陸戦などで誘導砲弾が大量に投射された際、目標の重複や見落としがしばしば起こりうる。アクティブ誘導シーカー自動交戦能力を備えた砲弾がお互いに何を狙っているのか確認できず、同一目標へのoverkillが頻発したエルドレッド戦争の戦訓を反映して、M909ではスウォームコントロールが可能になっている。砲弾をNIFFCAのトラジェクトリートレーシングサービスによってリアルタイムで追跡し、適切な目標をアサインするほか、砲弾同士も相互に『コミュニケーション』を取り、同一座標、同一特異点の目標に重複して突っ込まないよう設計されている。空対空ミサイルなどと比べると、シーカーはるかに低コストの安物ながら、通信と学習によって理想的な射爆散布を形成することができる。

装甲

沿海域のあらゆる想定脅威に対応することが求められた本級では、重大脅威として533mm級重魚雷、対艦ミサイル、1トン級機雷を想定した装甲防御が施されている。大戦期と比較すれば雲泥の差と言っていいほどに進歩した高張力鋼と、トポロジー最適化設計によって、本級の重量対防御効率はアイオワ級の4倍に達している。とはいえ、弾頭重量が1トンを超えるような重対艦ミサイルや核兵器に対する脆弱性は否めず、対艦装備を持つ敵の攻略には空爆やミサイル攻撃との連携が欠かせない。