架空国家を作ろう 第2.6世界線 - チャンドラ計画

概要

チャンドラ計画は、インド共和国政府とアルミヤ連邦共和国政府、そして両国の複数企業が参加している宇宙開発プロジェクトである。プロジェクト内容は2025年までに有人月面着陸を目指し、2030年までに月面基地の建設を開始するというもので、月面開発のみならず、火星開発への足がかりとしても期待されている。
より先進的だがリスクの高い民間プロジェクトAFRR?や、空宙クンバカに使われる技術を研究するためのカガニャーン2?も同時に進められている。

計画されている内容

第1段階

第1段階では、「ソーマ」と「ヴィクラム」を地球から月まで往来させる無人飛行試験を実施する。ミッションは最大42日間を想定し、13のキューブサットを放出する。2022年2月中の打ち上げを予定している。

第2段階

第2段階では、ソーマとヴィクラムの有人飛行試験を実施する。打ち上げは2022年夏を予定し、ミッションは10日間を想定している。

第2.5段階

月面基地建設の前段階として、2022年から空宙クンバカの建設を行う。空宙クンバカはより詳しい月面探査や着陸、基地建設、資源開発などの拠点としても機能し、火星探査や小惑星探査、そしてそれらの資源開発に向けた準備にも使用される予定である。

第3段階

第3段階では有人月面着陸を実施する。ミッションは2025年までに行われる予定。着陸地点は水の存在する可能性が高い南極を目指すとしている。

第4段階(最終段階)

最終段階では月面基地の建設を開始する。インフレータル構造での簡易的な基地を建設した後、10人程度が生活出来るコンクリート製の基地を建設することを目標としている。コンクリート製の基地を建設した後は(月面開発計画)?へと移行する。

宇宙船

ヴィクラムはインド宇宙開発局?AATDAが開発中の宇宙船である。チャンドラ計画のみならず、宇宙ステーションへの輸送ミッションなども考慮されて設計されている。乗員は6名で、カプセル重量約10t、機械船重量約13t、総重量約23t、与圧部体積約24㎥の、居住部体積約12㎥となっている。
ヴィクラムは、人員が搭乗する乗員モジュールと、推進装置などからなるサービスモジュールの二つのモジュールから構成されている。これらはアポロ計画などの実例を参考として開発されたもので、そこに新しい技術を盛り込むように設計されている。これは先進的な技術は民間プロジェクトAFRR?に任せ、国家プロジェクトは安定性を重視するべきだと言う結論に基づくものである。
宇宙船の推進力や姿勢制御、船内の電力供給、そして宇宙飛行士の生命維持などを管理するサービスモジュールは、リーベリグループインド航空工廠が共同で開発、生産を行っている。これにはX字型に展開する全幅19mの太陽電池パネルと、推進用のIF-204?エンジン1基、32個の姿勢制御用スラスターが装備され、これらは太陽電池パネルが生み出す一般的な家庭2軒分の電力のみで機能する。

月面着陸機

チャンドラヤーン号はインド宇宙開発局?AATDAが開発した月面着陸機である。設計は二段式とされ、下降段には燃料や電力、飛行士の呼吸用酸素などの消耗品を搭載し、上昇段に飛行士、生命維持装置、上昇用ロケットとその燃料などが搭載される。船室の形状は縦置きの円筒状である。定員は4名で、飛行士が月面に滞在している間は無人のヴィクラムが月周回軌道上にとどまることとなっている。
また、チャンドラヤーン4号は地球を離れ、宇宙空間や月面上で210日間もの間活動することができる。これは無人の月面補給基地として稼働すること目的としたものである。
チャンドラヤーン4号は三つの異なる使用方法を選択することができる。一つ目が有人短期月面滞在で、これは月面での船外活動を伴う。二つ目は有人長期月面滞在で、飛行士は月面に降りずに船内にとどまったままであり、船外活動は行われない。そして三つ目が無人補給で、これは月面に20トン程度の物資を運ぶことが可能な使用方法である。
チャンドラヤーン4号には母船であるヴィクラムからの移乗をするためのハッチと、月面での活動をするためのハッチが二箇所設けられている。月面活動用のハッチは、スペース・シャトルや国際宇宙ステーションに使われているような、気密室を持った二重構造を採用している。これは、宇宙空間と船室の間に気密室を設けることで、宇宙服を着脱する際などに微細な粒子が持ち込まれ、機器に悪影響を与える恐れをなくし、船室の気圧を保つことを可能にするためのものである。更に、ハッチを二重構造にしておけば、宇宙服が故障するような事態に陥っても飛行士は素早く船内へ戻ることができる上、他の飛行士たちも高いコストを掛けた月での船外活動の貴重な時間を犠牲にすることもなく、任務を行うことが出来る。また、気密室は下降段に設置されるため、船外活動を行こなわない場合には、最初から取りつけないという選択も取ることができる。

宇宙船は月の赤道に沿うような軌道や、高い傾斜角を持つ軌道など、どのような軌道でも着陸予定地である北極や南極の拠点などに着陸できるような能力が求められた。チャンドラヤーン4号はヴィクラムとドッキングしたまま月へと向かうとされており、ヴィクラムに搭載されているエンジンの推力と燃料量では、宇宙船と着陸機の両方をドッキングした状態では、無人状態ですら月面への着陸は厳しく、有人であれば不可能であるとされた。そのため、下降段には下降段に現行の液体水素と液体酸素を混ぜた極低温推進剤と液体水素と液体酸素を燃料とするIF-203?エンジンを搭載し、上昇段には常温でも保存出来る自己着火性推進剤と、ヴィクラムと同様のIF-204?が1機だけ搭載される。また、チャンドラヤーン4号のロケットエンジンは、この燃料は上昇段、下降段の両方が混ぜ合わせただけで着火する点火装置が必要ない燃料システムを採用しており、長期間の保存を可能としている。また、低温式・常温式のどちらを採用するにしても、多くのロケットが燃料の供給方式として採用しているポンプは、故障率の高さが懸念された。そのため、チャンドラヤーン4号では高圧のヘリウムガスによって燃料を供給している。
改良型の設計は既に進められており、改良型では上昇段の燃料を液体酸素と液化メタンに変更する。この先行われる火星探査や開発では、搭乗員が火で長期間生活することになると考えられている。その際、ニッケルを触媒とし、水素と二酸化炭素を高温高圧状態に置くことでメタンと水が生成するサバティエ反応を利用することが考えられた。これを実現することが出来れば、熱源と触媒を地球から輸送するだけで火星にあるCO2や水素を使いながら燃料や呼吸用の酸素などを調達することが出来るのである。この着陸機は2030年以降に試作機を制作する予定であると伝えられている。メタンロケットの技術は民間プロジェクトのAFRR?での開発経験が基礎となるとしている。

ロケット

ソーマはインド宇宙開発局?AATDAが開発中の有人、貨物両用の大型打ち上げロケットである。最終的に低軌道へ約140,000kg程度の貨物を運搬することが可能とされており、もし実現出来れば、ソーマは現在開発されている全てのロケットの中で最も大きいものということになる。

ブースター

ブースターは直径約4m、全長約50m、総重量は620tで、そのうち燃料は520tとなっている。固体燃料を採用しており、出力は一基15Mt、二基で合計30Mtとなる。SRB(スペースシャトル固体燃料補助ロケット)ではブースターの大きさを鉄道輸送時の車両限界で定めていたが、ソーマのブースターはアルミヤ連邦共和国からインド共和国の打ち上げ基地まで輸送する必要があるため、陸路はほぼ考えられず、近くに建設された滑走路に直接航空機で輸送し、マステマ?が専用に開発、生産した、6軸12輪の超重量物運搬車MST-H-X?によって直接輸送される。
推進剤は酸化剤の過塩素酸アンモニウム(全重量の69.6%)、燃料のアルミニウム(16%)、触媒の酸化鉄(0.4%)、結合材の重合体(ポリブタジエン・アクリロニトリル や末端水酸基ポリブタジエンなど。12.04%)、硬化剤のエポキシ(1.96%)で構成されている。これは一般にコンポジット推進薬と呼ばれるもので、APCP(アルミニウム過塩素酸合成燃料)とも略称されることがある。アルミニウムは約31.0MJ/kgもの高いエネルギー密度を持ち、なおかつ燃焼圧力が急激に変化して爆発する危険性が低いために採用された。
発射台の設置中は、軌道船と外部燃料タンク含む機体の重量全てを、移動式発射台の支持構造で支えている。このブースターはロケット主推進システムの推力が規定水準に達したことが確認されてから点火され、その後上空で切り離す。そして、切り離した後もブースターは上昇を続け、切り離し75秒後に最高高度に達した後落下に転じる。その後は発射地点から約250km離れたインド洋上にパラシュートを展開しながら着水し、海軍などによって回収される。尚、ブースターの外殻は何度も再使用される。
生産はリーベリグループアルミヤ連邦共和国内で行い、輸送はLC-200?をレンタルして行われる。
また、140,000kgのペイロードを実現するため、現在は液体燃料を使用する、より高出力のブースターの開発が進められている。

第1段

全長約60m、直径約9.5m、空虚重量約24,000kg、満載時重量約800,000tの燃料タンクの後方にモジュール化されたロケット主推進システムを、先端部に宇宙船や貨物を搭載する。燃料タンクは軽量化の為に炭素繊維強化炭素複合材料を主に使用して作られており、空気中で二酸化炭素に変化しながら、大気圏突入と共に大半が燃え尽きるように設計されている。残った一部の部品は最終的に太平洋(直接軌道へ送る場合はフィリピン海の太平洋側)に落ちる。
構造は前方部の尖った形状を持つ先端部に液体酸素タンク、ロケット主推進システムに隣接する底部に液体水素タンク、液体酸素タンクと液体水素タンクの間にタンク間構造帯を配置する形となっている。液体酸素タンクの上部は平坦で、そのさらに上部の尖った部分は取り外し可能なノーズ・コーンである。
液体酸素タンクの容積は圧力約250kPa、温度-182.8℃の場合で約620㎥である。底面からロケット主推進システムへの供給管が伸びており、タンク間構造体の部分で機外に出る。その後は外壁に沿って軌道船との右側接続部分の中を通る。また、空気抵抗を除いた全ての液体酸素タンクの負荷は、フランジ加工をされたタンク間構造体に伝えられる。加えて、タンク内には液体の動揺および渦の発生を抑えるための抑流板が設置される。渦流抑制板は供給管を覆うように十字型に設置され、液体酸素の中に渦で気泡が生じることを防いでいる。
液体水素タンクは圧力約202kPa、温度-252.8℃の場合で約1,7146㎥である。前部ドーム、後部ドーム、そして四つの円筒によって作られており、円筒部は5本のリング状の桁によって接合され、負荷を分散する仕組みとなっている。この円筒部の負荷分散構造に代表されるように、液体水素タンクやタンク間構造体は負荷分散に細心の注意を払っている。液体水素タンクでいえば、最後部のリング桁もロケット主推進システムとブースターが発生した推力を、燃料タンクと宇宙船、そしてブースターの後部接続部を通して受け取り、残りの中間の三本のリング桁が、宇宙船からの推力と液体酸素供給管の負荷を受け取るように設計されている。
タンク間構造体は、液体酸素タンクと液体水素タンクを構造的に結合するためのものである。主な機能はブースターからの推力を受け取り、液体酸素タンクと液体水素タンクに配分することである。ブースターとの前部接続部は、タンク間構造体の上に180°で二箇所設置されている。タンク間構造体を通す形で梁が渡されており、接続部に対して機械的に締めつけられ、ブースターの燃焼中はその応力で梁が歪むことで負荷が接続部に伝えられる。また、ブースター接続部には、輪状の主桁が隣接しており、接続部で受け取った負荷を主桁に伝え、更にそこから接線方向の力がタンク間構造体の外壁へと分散される。さらに、外壁上には推力パネルと呼ばれる二枚の板があり、ブースターから受け取った軸方向への推力を、液体酸素タンクや液体水素タンク、隣接するタンク間構造体の、横梁で補強された6枚のパネルで構築される外壁へ分散される。また、タンク間構造体は制御機器の保護容器としても機能するように設計されている。

ロケット主推進システムは完全にモジュール化されており、新型エンジンの開発などに簡単に対応できるようになっている。エンジンは液体酸素と液体水素を使用する「IF-201?」で、推力は約2MN、質量は約3.5tである。このシステムは使用される形態に従って様々な数とタイプのIF-201?エンジンが利用される。ブロックAは4基のIF-201?エンジンの初期型を搭載する。ブロックBは4基のIF-201?エンジンの改良型を搭載する。ブロックCおよびDは5基のIF-201?エンジンの改良型を搭載する。

第2段

第2段は第1段と違い、任務に応じて何種類かのブロックを選択して搭載される。

ブロックI
デルタ極低温第2段ロケット 1基を搭載したもので、中間極低温推進段と呼ばれる。この80tの形態のロケットは、現在の時点では初期の月面探査(2026年まで)のミッションでしか使用されないとされている。月面基地建設までにブロックIAへ移行することが予定されている。

ブロックIA
大型極低温推進段 1基を搭載する予定。これに搭載されるエンジンは、液体水素燃料と液体酸素を酸化剤として駆動する特別に開発したエンジンである。この時点でペイロードは120tまで増強され、月面への初期段階の物資輸送を担うとされている。

ブロックII
XX計画における最終段階。3機のIF-202?エンジンで駆動される。この段階でペイロードは140tに到達し、月のみならず火星への物資輸送すら可能とするとされているが、技術的な課題からブロックIIは2030年代になるまで出現しないと考えられている。IF-202?は真空中で1.3MNの推力を持ち、宇宙空間で使用されることを前提に設計されたものである。燃料は混合比5.5〜4.5の液体水素と液体酸素を使用し、エンジンの重量は2.4tとされている。

参加組織と企業