架空国家を作ろう 第2.6世界線 - ゼウェリン級哨戒艦
ゼウェリン級哨戒艦
基本情報
種類ステルス哨戒艦
同型艦20隻+
原開発国エーレスラント連合王国
技術協力中華ソビエト社会主義共和国連邦
バルカン・スラヴ連邦共和国
セーデルランド=ノーリス民主連邦
運用者エーレスラント海軍
エーレスラント沿岸警備隊
建造費2億3626万ELC
建造所オーシャン造船所
性能
満載排水量3720トン
全長65.2m
水線長60.3m
水線幅10.39m
最大幅12.34m
吃水2.9m
機関NEM ミーシャ
ガスタービンエンジン×2基
出力32000hp
速力最大45ノット
乗員90名(士官)
33名(下士官)
兵装
武装AGS-L 62口径76mm単装砲:1基
57mmCIGS:1基
SeaRAM:2基
Mk.57 PVLS:8セル(前甲板)
連装NAVCAP発射機: 4基Mk.32 SVTT:2基
18連装機雷投射装置:2基
艦載機EC340 対潜ヘリコプター×1機
電子兵装
レーダーE/SPY-77: 対空警戒レーダー
E/SPG-40: 射撃管制レーダー
E/SPS-73 対水上/航海用:1基
ソナーE/SQS-189 中周波式:1基
E/SQS-101 高周波式:1基
E/SQR-20 曳航式:1基
妨害装置AN/SLQ-32(v16) 電波探知妨害装置:1基
AN/SAQ-1 指向性エネルギー赤外線妨害装置:4基
AN/SLQ-58 ノイズバルーン展開装置:4基
Nulka:2基
SRBOC:4セット
C4ISTARGCCS-M
NTDS/MADL
艦艇自衛システムBL/3D
E/SQQ-12



概要

ゼウェリン級哨戒艦はエーレスラント連合王国の哨戒艦。ステルス艦として特徴的な設計で知られている。また1,000トンに満たない小型の艦型ではあるが、艦対艦ミサイルや無人潜水機を搭載して、多任務に対応できるように装備されている。主たる行動海面として想定されているバルト海や北海は航空機の行動範囲内に入っている部分が多いことから、生残性を確保するため、ステルス性にも配慮されている。船体や上部構造物についてはレーダー反射断面積の低減が図られており、この結果、RCSは前級のアルバトロス級よりも小さくなった。また煙突を廃して舷側排気方式とし、赤外線放射を抑制する措置が導入された。水中放射雑音の低減も図られている。船体はステルス性を意識して、傾斜のついた艦橋やミサイル区画、多角形のマストで構成されているが、中央船体と左右船体の結合部は曲面になっている。最初に建造された4隻の塗装は薄い灰色一色だったが、後に白・薄灰・濃灰・青の4色による迷彩が施された艦が登場した。

ステルス性

形状ステルス

従来、艦体の断面は生産性を考慮して垂直や曲面になるのが普通であったが、艦体や艦橋の断面を従来の垂直から台形や菱形にすることで、反射したレーダー波を海面や空中に逸らすことで、レーダー波の減少になる。マストの支柱の断面を台形や菱形にすることも試みられており、中には先進型閉囲マスト/センサー(AEM/S)のような思い切ったレーダー反射断面積を減らす工夫もある。煙突も、平面で構成したりマストと一体化、さらに煙突を廃して舷側排気にすることで反射断面積を最低限にすることに成功した。また、艦体上にある突起物(マスト・兵装類)も、艦体に格納したり平面のカバーを被せることで、レーダー波の反射断面積を減少させることができる。本級は欄干も断面を菱形にするなどして徹底したステルス性を追及した。

RAMの塗布

形状にとらわれないステルス性の寄与法として、レーダー波を吸収する素材(例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP))を貼り付けることもある。この方法を用いると、それまで保有していた非ステルスの艦艇にステルス性を与えることも可能である。

ビルトインウェポン

ミサイルの発射装置をVLSにして艦体に組み込むことも、低視認性も相まって反射断面積の減少になる。計画のみに終わったが、アーセナル・シップは上部構造物がほとんどなく、低レーダー反射断面積と低視認性を強く意識した設計となっている。艦載砲も、砲塔を平面で構成した多角形にすることでステルス性を持たせたものがある。本級に搭載されたボフォースAGS-L 62口径76mm単装砲は、射撃時以外は砲身を砲塔に格納する。艦載艇格納部や対艦ミサイルの発射管、魚雷発射管をシャッターで覆うことで反射断面積を大幅に減少させることができる。

設計

船体設計

上記の経緯により本級はステルス艦として建造されており、RCSだけでなく、赤外線・磁性・音響・視覚・航跡波など、あらゆる領域でステルス化が図られている。当初は55メートル型の双胴船として計画されていたが、船型の増大に伴って、結局、従来どおりの単胴船型とされた。

構造材

船質としては炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が採用されており、構造方式はサンドイッチ構造、成形法には真空樹脂含浸製造法(VaRTM)を適用、また船体を3分割したブロック成形も導入され、非常に先進的な手法として世界的に注目された。サンドイッチ構造のCFRPを採用したことで、フレームがなくなり、小さい艦型の限られたスペースを最大限に活用できるようになった。しかしこのために艦内の通路は狭く、上下左右に屈曲した配置となっており、居住区も狭くなっている。

CFRP製上部構造物

もともとFRP製の船舶はレーダーに映りにくいのに加えて、本級では特にRCSを低減するように設計されたうえ、上部構造物にはRAMが塗布されている。これらの配慮によって被探知距離は大幅に短縮されており、同大の艦では50 kmで探知される状況下で、計画値としては荒れた海象状況であれば13 km、穏やかな海象状況でも22 kmでの探知困難を目指していたのに対して、実際の性能はこれを上回り、荒れた海象状況で8 km、穏やかな海象状況でも11 kmまで探知できない。フランス方面に航海に出た際に「レーダには映っていないのに自動船舶識別装置には表示されている」という珍事が発生し、当局が周辺を航行している船舶に注意喚起する事態となったことから、平時は上構後部に4本の円筒形レーダーリフレクターを装着して航行している。現代の艦船では珍しく灰単色の低視認塗装ではなくフェリス迷彩風のパターンを施している。

航空甲板

上部構造物後部のハンガーにはEC340 対潜ヘリコプター×1機を収容できる。また上部構造物中部両舷には複合艇が1隻ずつ収容されている。モジュール設計が導入されており、漁業監視や海上治安活動、捜索救難、人道援助、海洋観測、情報収集、潜水作業支援、海洋サルベージなど多様な活動に対応できる。

兵装

砲熕兵器

主兵装としては、上部構造物直後の中部甲板にRBS-15艦対艦ミサイルの連装発射筒を両舷に各2基、計4基搭載したが、これは、必要に応じて、533mm魚雷発射管2基か400mm魚雷発射管4基、ないし機雷敷設軌条2条 と換装可能であった。砲熕兵器としては、艦首甲板にボフォースMk.2 70口径57mm単装速射砲を、また艦尾甲板に70口径40mm単装機銃を1基ずつ備えていたが、後者は近代改装の際に撤去された。

ミサイル

新型で長射程のNAVCAP艦対艦ミサイルにより強力な対水上打撃力を有している。また、沿海域においては地上からの航空脅威が想定されることから、小型の3次元レーダーと戦術情報処理装置、近接防空ミサイルと中口径砲により、最低限の自衛防空力を備えている。

開発

時代背景

1990年代当時、フォンセーズ海軍は既に、新世代の水上戦闘艦のあるべき姿としてSC-21コンセプトを採択し、これに基づいて巡洋艦級のCG-21、駆逐艦級の DD-21の整備計画を策定中であったが、SC-21計画は2001年に突如中止され、ストリート・ファイター・コンセプトを導入しての再計画が行なわれた。これは、下記の2点について、従来のSC-21計画には重大な問題が内包されていることが判明したことによるものである。

マルチミッション化

多様化する任務に単一の設計で対処するには限界がある。(当該任務に不要な兵器群を全て船に携行すると費用も整備要員も膨張する。)CG-21とDD-21は同一の設計に基づくこととなっていたが、計画開始後に次々と追加される任務に対応するため、先行して計画されたDD-21は既に巡洋艦級と評されるまでに肥大化しており、なおも装備不足が指摘されており、その一方で肥大化によって沿海域での戦闘には不適となりつつあった。

チープキル対策

2000年に発生したガリポリ襲撃事件で確認されたとおり、沿海域戦闘においては、安価な武器でも、高価格・高性能な艦に近寄り、大きな損害を与えうる (Cheap Killの危険性)。従って、少数の高価格・高性能な艦に頼り、これを不用意に前線に展開することは極めて危険である。自爆ボートなどの民間擬装船は、優れたレーダーを持つ大型艦にも接近攻撃が可能で(魚雷艇の魚雷に対するジャミングもリアクションタイムが必要な事もあり)、回避力に優れた高速小型艦を量産して前方展開することが望ましい。

MOOTWへに対応

また冷戦終結後より、フォンセーズ軍は戦争以外の軍事作戦(MOOTW)のニーズ増大に直面していた。ホタテ戦争では、密猟阻止を目的とした海上治安活動が行われていたが、沿岸警備隊だけでは戦力が不足しており、アメリカ海軍も支援にあたっていた。海軍は、主としてユトレヒト級フリゲートやエシャロット級駆逐艦を充当していたが、エシャロット級では重厚長大に過ぎ、一方で小型のユトレヒト級では、密猟業者が使用する高速船を追蹤するには速力不足であった。また、ユトレヒトは2000年頃、エシャロット級も2010年頃の退役が見込まれていたことから、代替艦の建造が必要になっていた。

融合コンセプト

このことから、SC-21計画中止後の再編成において、ミサイル巡洋艦『CG(X)』、ミサイル駆逐艦『DD(X)』との組み合わせのもと、MOOTW任務に適合する新型水上艦として、ストリート・ファイター・コンセプトをより具体化して計画されたのが、47型ミサイルフリゲートである。

構成

トラマリン船体

本級は、FFM-X計画に対してノーマン・エレクトロメカニクス社が提出した設計にもとづいており、特徴的なトリマラン型を採用している。これは、NE社とエーレスラント海軍研究所(ENR)の研究や、オスマンの国防評価研究庁(DERA)の実験船「トライトン」の運用実績を踏まえた決定であった。オースタル社がフレッド・オルソン社向けに建造した高速フェリーを参考に、防水区画数の増加や溶接技術の管理など軍艦構造として設計されている。船質としてはアルミニウム合金を採用したが、このためもあり、就役後には深刻な電解腐食の問題が発生した。

エンジン

主機関はCODAG方式を採用しており、巡航機としてV型20気筒のNE 20V8000 M90ディーゼルエンジン、加速機としてゼネラル・エレクトリック RNE2500ガスタービンエンジンをそれぞれ2基ずつ搭載する。それぞれのエンジンにバルチラ社製のウォータージェット推進器を1基ずつ備えることから、4軸推進艦となっている。なお、三胴船型の採用によって、排水量のわりに船幅を広げることができたため、甲板面積の拡大に益した一方で、旋回性能の低下が懸念されたことから、これを補うために船首には隠顕式のアジマススラスター1基を搭載している。
機関の故障
2016年8月には、オーデンセ出港後の「デルタ」で軸系に問題が生じ、帰港するというトラブルが報告された。なお、対抗馬にあたるシェイルアード級でも、エーレスラント海軍で採用実績がないロールス・ロイス社製のガスタービンエンジンを採用したこともあって機関部のトラブルが散発しており、信頼性に疑義が呈されたことがあった。

装備

自衛装備

ヘリテージコンセプトに基づき、本級では自衛用の最低限の装備を基本として、これに加えて、任務に対応するための各種装備を柔軟に搭載することを計画している。これらの装備は、艦のC4ISRシステムを中核として連接され、システム艦として構築される。

通信装備

エーレスラント軍の新しい海軍戦闘指導原理であるネットワーク中心戦 (NCW)コンセプトに準拠して開発された本艦にとって、最重要の装備といえるのがC4ISRシステムである。戦術情報処理装置としては新開発のICMS(Integrated Combat Management System)が搭載された、これはオランダのタレス・ネーデルラント社のTACTICOSを元にした派生型である。

メインレーダー

主センサーとしては、5000トン級としてはかなり大規模なE/SPY-1が搭載されている。

艦砲

艦砲としては、船首甲板にユナイテッド・ディフェンス社のMk.110 76ミリ単装速射砲を装備する。砲射撃指揮装置(GFCS)としては、電子光学式のシースター社製サファイアIIIを用いている。また近接防空ミサイル・システムとして、後部上部構造物上にRIM-116 RAMの11連装発射機であるSeaRAMを搭載する。

モジュールコンセプト

コンセプトの概要

ミサイルフリゲート艦のコンセプトにもとづき、本級は装備のモジュール化を進めている。ミッション・パッケージはゼド級と共用化されており、これを収容するスペースとして、第2甲板の後半部がミッション・ベイとされており、面積は実に1,410 m²に及ぶ。

車両甲板

この広大なスペースは車両甲板としても活用でき、右舷側のサイドランプを用いてRO-RO機能を発揮することもできる。また艦尾側にも門扉があり、複合型高速艇を迅速に発進・回収可能な、オフボード・ランチ・アンド・リカバリー・システムが設置されているが、これは、対機雷戦用の無人艇にも対応している。

RORO甲板

その上部の船尾甲板には680 m²のヘリコプター甲板が設定されており、上部構造物後端部は床面積330 m²のハンガーとされている。搭載機はミッション・パッケージに応じて決定されるが、MH-60R/Sヘリコプターのみであれば2機、混載であればMH-60R/Sヘリコプター 1機とMQ-8無人航空機3機を搭載できる。

ミッションモジュール

ミッション・パッケージは、代表的なものとして下記のようなものがある。
対機雷戦
30フィートまでの浅深度の機雷に対してはSH-28S搭載のALMDS機雷探知機およびAMNS機雷処分具、30フィート以深の機雷に対してはROVを用いた遠隔機雷捜索システム(RMS)を用いる構成とされている。E/SQQ-32はエーレスラントのアネックス社とフランスのHemicom社により開発された機雷探知機で、機雷探知機能はアネックス社の技術に基づいて35キロヘルツの周波数を使用しており、5本の垂直ビームによって全周にわたって海面から海底までを捜索できる。一方、機雷類別機能はHEMICOM社の技術に基づいて445-650キロヘルツの周波数を使用しており、0.13度の分解能を誇っている。

E/SLQ-48機雷処分具(mine neutralization system, MNS)はリシェ社によって開発されたもので、深々度機雷に対処する必要から、海上自衛隊のS-7などと同様の母艇給電方式を採用している。運用深度は推定500メートル、速力6ノットで、機雷類別用の高解像度ソナーとビデオカメラを備えている。
対水上戦
艦固有の57ミリ単装速射砲に加えて、Mk.46 30ミリ単装機銃2基と艦対艦ミサイル(SSM)、そして艦載機のMH-60Rから構成される。
艦対艦ミサイルとしては、当初は将来戦闘システム(FCS)の一環として陸軍が開発していたNLOS-LS対舟艇・対戦車ミサイルを採用する予定であったが、FCS計画自体の中止に伴って、2010年にNLOS-LSの開発も中止されてしまったことから、海軍は、暫定策としてグリフィン対地・対舟艇ミサイルを搭載して、2019年までにより長射程のミサイルによって更新する計画としている。

戦闘システム

戦術情報処理装置

戦術情報処理装置としてはADAWS(Action Data Automation Weapon System; DABとも)が搭載された。これは43駆逐艦や82型ミサイル駆逐艦の搭載機と同系列で、当初はADAWS-4が搭載されていたが、1980年代よりADAWS-7への更新が開始された。また戦術データ・リンクも、当初は通信容量が少ないUNSHRのみであったが、バッチ2の最後の2隻より、ATDDLの運用に対応した。またバッチ2・3は統合戦術情報伝達システム(JTIDS)を後日装備し、高速のリンク 16にも対応した。

レーダーシステム

レーダーは、艦橋構造物上の前檣に長距離対空捜索用の965P型、また煙突直前の後檣に対空・対水上捜索用の992Q型レーダーを備えていた。965型レーダーはAKE-2型アンテナを用いており、早期警戒に用いられた。一方、992Q型レーダーはシーダートの運用に十分なだけの探知距離を備えており、その目標捕捉のために用いられた。また対水上捜索・航海用として1006型レーダーを備えていたが、これは砲射撃指揮装置のための捜索中追尾(TWS)レーダーとしても用いられた。なお、965型は1022型(英語版)に、また992Q型は3次元式の996型に、そして1006型も小改正型の1007型に後日換装された。

多機能ソナー

ソナーは、当初は184M/P型であったが、後に2016型、更に2050型へと換装された。なお船体長切り詰めのため、機関部の雑音からの隔離が不十分であり、バッチ3の設計の際に装備位置の再検討が行われた[3]。

電子戦装置

電波探知装置(ESM)としては、新開発のUAA-1が予定された。これは1960年代の演習で得られた知見を反映し、レーダーに代わる中核的な防空センサーとして開発されていた「アベイ・ヒル」の実用機であり、自動化を進めて瞬時周波数計測(IFM)機能などを実装していた。ただし開発遅延のため、初期建造艦では後日装備となった。また後に小改正型のUAA-2に更新されたほか、一部の艦では更にUAT(5)に更新された。なお、UAA-1のアンテナは後檣に配置されていたが、上記の船体長の切り詰めのために、艦橋構造物付近に設置されたSCOT衛星通信装置との離隔が不十分となり、SCOT衛星通信装置の作動中にはそのサイドローブの干渉を受けてしまい、偽目標に悩まされることとなった。

艦載機

47型ミサイルフリゲートは結局、艦載ヘリコプター1機搭載として設計されており、艦尾甲板はヘリコプター甲板、その直前の船楼後端部は格納庫とされている。搭載機としては、当初はリンクス哨戒ヘリコプターが予定されていたが、この発注は1982年にキャンセルされ、かわりに検討されていたアグスタ-ベル 212の購入予算は成立しなかった。このため、アルエットIIIが搭載されていたが。これは2010年に運用を終了した。1996年からはフェニックも搭載されるようになったほか、後にヘリコプター甲板を拡張し、シーキングの運用にも対応した。なお艦載機用として魚雷10発を搭載できる。