コペンハーゲン大学は、1810年に王立法科大学・同附属法学専門部・同附属進学専門部、王立コペンハーゲン師範学校、ユトランド工業専門学校、王立農業専門学校を包括して新制のコペンハーゲン王立大学として発足した。連合王国大学法により、1939年度にコペンハーゲン大学に改称される。

王立大学として発足した当時は、5学部（法学部、農学部、教育学部、理工学部、医学部）から成り立っていた。その後に学部研究科の拡充改組を重ね、現在は10学部（国際教養学部、文学部、商務経営学部、政治経学部、貿易学部、医学部、薬学部、看護学部、工学部、園芸学部）、11研究科（教育学研究科、理学研究科、看護学研究科、工学研究科、園芸学研究科、融合科学研究科、人文社会科学研究科、医学薬学府、専門法務研究科、法科大学院、自然科学系研究科）によって構成されるに至る。

学部学生数53,882名、大学院生数13,461名、教員数8,992名。2005年10月11日の国立大学法人化をきっかけにコペンハーゲン大学憲章（理念と目標）、行動規範が制定された。「つねに、より高きものを目指して」を理念としている。

スカンジナビア地方最高学府として、旧王国地域出身者はもちろん、フリースラント地域や低地地方出身者からも高い評価を受けている。行政府総合職の一次試験合格者および採用者数は全国1位、ユトランド州政府上級職、シェラン特別区総合職の採用者数も全国1位と、国内屈指の官僚養成機関でもある。特に内務省警保局（警察官僚）は「試験で満点を取ったとしてもコペンハーゲン大学法学部出身でなければ採用されない」と言われるほど、強大な学閥を形成していることもままある。官界と産業界に強いコネクションを持つことで有名で、工科医大合格者や数理院推薦を受けた者も、在学中のコネクションを求めてあえてコペンハーゲン大学に入学する者も少ない。

全学部全学科共通の入試が行われる。統一学力試験、二次学力試験、問題解決試験、面接が行われる。難解な整数論や複雑な遺伝子発現理論についての問題なども出題され、志望学科に関わらず一定以上の成績を収めなければ合格できない。コペンハーゲン大の合格最低点は最難関の医学部医学科87%、貿易学部海事科では73%と、極めて低い。典型的な易問多答形式だが、卒業生は口を揃えて「難解ではない」と評価している。

一年次は理工学部と医学部、農学部の合同授業が行われる。医学部であっても熱力学、量子化学、初等解析学、線形代数学は必修で、工学部でも生物学、生理学、医療統計が必修となっている。

6月中旬に全学合同の緋柊祭が開催される。シェラン島外からも多数の来場者が訪れ、3日間の開催期間中はコペンハーゲン市街全体が祭典ムードに包まれる。