架空国家を作ろう 第2.6世界線 - エルステリア級航空母艦

エルステリア級空母

架空
種類原子力CATOBAR航空母艦
価格300億ドル
 エルステリア級はルートアセシオン・ミーリア帝国の航空母艦である。

性能緒元
全長438m
水線幅49m
全幅98.3m
全高78m
満載排水量198,830t
乗員操艦3860名
航空要員4800名
武装レンダリアCIWS 3基
RAM 21連装発射機 x2基
ESSM 8連装発射機 x2基
速度31.4kt/h
機関第8世代シャロウ式NaK冷却炉 2基
アル・メナス ST-4333 蒸気タービン 4基
5枚翅可変ピッチプロペラ 4軸
航続距離ほぼ無限
レーダーRA/SPY-3E(V)4 4面
RA/SPY-2D(V)4 4面
AN/SPS-4 航海用 1基
AN/SPN-27 航空機管制用 2基
防御兵装SRBOC x4
Nixie x2
MFEW 4面
C4ISTARロゼッタ戦闘システム
GCCS-M
ソナーAN/SQQ-90
搭載機数固定翼機146機、ヘリ12機
航空設備Mk.1 先進エレベーターシステム x4
Mk.2 弾薬庫運搬エレベーター x10
Mk.6 電磁式カタパルト x5
Mk.23 先進着艦制動索 x3

概要

 本級はルートアセシオン・ミーリア帝国ジェラルド社が建造した、遠洋での高い打撃能力がコンセプトの攻撃型航空母艦。単価を抑えるため大量建造が予定されており、その数は14隻を超えるとされる。
 マルセイユ級では削られていた個艦防空能力やC4Iの充実など、航空母艦の自衛や航空機支援の拡充が図られている。
 主要な任務として遠洋でのプレゼンス誇示や紛争への介入、長距離偵察等が挙げられる。

来歴

 2000年、ルートアセシオンは大西洋や太平洋、インド洋での友好国支援や潜在的な脅威への対処、地域紛争介入など世界的な活動を志向する海軍戦略「シーパワー21」を打ち出した。その内容は核動力の航空母艦や護衛艦の大量配備、友好国への駐留、既存軍港拡張、新規軍港開設など非常に野心的なものとなっており、それ以前は内向きだった同国の海軍戦略の大転換を示すものだった。
 まず最初に検討されたのは満載19万トンを超える超大型空母・スーパーキャリアーだった。これはマルセイユ級航空母艦の開発計画より遥かに巨大な航空母艦であり、運用には多大な費用がかかると予想された。これには共通の部品やシステムを持つことで対処することとされたが、依然として費用負担に耐えられるかどうかは未知数であった。そこで政府は研究討論会を設置、建造される航空母艦の費用対効果を検証することになった。
 しかし、2001年に状況は一変する。欧州での紛争拡大は下火になっていたものの、衛星での偵察や偵察機の高性能化など、技術進歩により大洋をまたいだ戦闘が頻発していたことから、アセシオンにおいても同様にこれらの戦闘に巻き込まれる可能性は高いと考えられるようになった。
 それに加え、核戦力においても一石を投じるかのように、ミサイル防衛の普遍化といった事象も計画に影響を与えている。ミサイル防衛の普遍化は弾道ミサイルの絶対的な優位性を揺るがすものと考えられ、確実な核打撃力を与えるため探知が困難な巡航ミサイルの開発・運用が急務とされていた。この新航空母艦はその新型核兵器運用のためのプラットフォームと位置付けられ、通常戦力の確保と共に開発は加速していく。
 一方、核動力空母の研究を行っていた小泉順子大将は以下の3案を軍に提示。
設計案満載排水量搭載機数
設計A10万t70機
設計B15万t100機
設計C19万t140機
 この3案のうち、最も費用が高くなってしまうのは、当然ながら装備が高価かつ巨大な19万t案だったが、大量建造によるローテーションを企図していたため、コストは低下すると考えられていた。設計10万t級は既にジェラルド・R・フォード級の開発が行われており、新規開発は行わなくてもいいものとされた。
 候補に絞られたのは15万tと19万tだったが、19万t級空母を整備可能な超大型ドックを整備する計画が持ち上がったことにより、19万t級の採用が決定された。
 結果、残った19万t級案が最も優秀とされ、この計画案を基に次期航空母艦計画が発足する運びとなった。

設計

船体

 本級はおおよそジェラルド・R・フォード級のレイアウトを基本に構築されているが、飛行隊の拡充により右舷前方にも小規模のアングルドデッキを備えている。こちらは発艦専用のレーンであり、電磁カタパルトが1基装備されている。航空機を搭載するスペースにもなる。
 全長は400m超、船体幅は50m近くとやや幅広の船体を採用し、艦載機数や搭載物資の充実を図った。アクシャルデッキ空母によく見られた細長い船体でも運用は可能と見られてはいたものの、太平洋海域での長期の作戦行動に支障を来す恐れがあったため、速度を控えめに、物資の搭載量を優先した形となる。この効果は船体の揺動を低減する効果もあり、居住性の向上にも繋がっている。
 主甲板は格納庫甲板床面とされ、127mmの均質圧延装甲を装備している。この装甲板は大戦期の戦艦に利用されたBクラス装甲板と類似しているが、冶金技術の向上により大幅な質の向上を実現した。外見では飛行甲板が主甲板と見られることも多いが、本級では後述の閉鎖式格納庫とされており、飛行甲板は04甲板に相当。こちらにも127mmの装甲が施されている。その裏側に当たる03甲板天井部分には作業用のモノレール型天井クレーンが前後方向に4列、左右方向に2列ずつ配置されており、主に重量物運搬用として使用される。
 艦橋は従来型空母と同じく右舷配置のアイランド型であり、船体規模の大型化に伴い後方に下げられている。艦橋には各種レーダーや航空機管制施設が装備されており、こちらで甲板の管理を行っている。
 エレベーターは航空機2機を同時に搬出入できる76t型舷側エレベーターを4基設置。動力は主に原子炉からの電力で賄われているが、冗長性確保のためディーゼル発電機も装備されている。位置は右舷の飛行甲板外縁部艦前方、艦橋前、艦橋後部、左舷の飛行甲板後部になっている。ジェラルド・R・フォード級ではエレベーターは3基になっていたが、エルステリア級では甲板面積が拡大しハンドリングの問題は解消され、逆に搭載機数と格納庫の拡大により航空機の搬出入が多くなると見られたため、通常のスーパーキャリアーと同じく4基装備となった。
 これとは別に兵器用エレベーターも装備されており、こちらは主に弾薬の搬出入を担当。弾薬庫〜飛行甲板に11か所を配置している。船体底部の弾薬庫を貫く直通通路であるため、浸水があった場合は自動で閉鎖されることになっている。

航空機運用能力

 本級は戦闘力確保のため多数の航空機を運用する。特に24機の攻撃飛行隊を4個配置することにより、圧倒的な火力を目標へ指向することが可能となっている。特にカタパルトを5基に増やしたことで1日のソーティ数は上がっており、甲板の広さによるハンドリングのよさも相まって280ソーティ/日を数える。
 飛行甲板は04甲板とされており、被弾に備えて装甲が施されている。本級の飛行甲板レイアウトは他空母とは異なっており、通常の左舷方向アングルドデッキの他に、飛行甲板中央部から右舷11度方向に向かって伸びる発艦用レーンがあることが特徴となっている。こちらにはMk.6 電磁カタパルトが装備されており、装備されるカタパルトは合計5基を数える。
・Mk.6 電磁カタパルト
 このMk.6 電磁カタパルトは艦首に2基、アングルドデッキに2基装備されており、艦首カタパルトに挟まれたCATCCにより制御されている。全長は102m、40000kgの機体を308km/hまで加速する能力を持つ。
 2000年に開発された電磁カタパルトであり、レールガン用に開発されたスーパーキャパシタにより大電力の貯蔵・放出が可能となっている。
・Mk.1 先進エレベーターシステム
 機力76tを誇る大型エレベーター。マルセイユ級に搭載されたエレベーターの改良型であり、原子炉から供給される大電力により運用される。
 主翼を折りたたんだ状態の艦載機2機を同時に運搬する能力を持つ。
 速度は最大積載で格納庫-飛行甲板まで12秒程度となっている。

飛行隊構成

 本級の目玉は多数の航空機運用能力であり、その数は158機を数える。
 飛行隊は以下。
飛行隊(選択式)
攻撃飛行隊ADF-32 x24
攻撃飛行隊ADF-32 x24
攻撃飛行隊ADF-32 x24
攻撃飛行隊F-35C x24
攻撃飛行隊F-35C x24
戦略攻撃飛行隊A-16 x8
給油飛行隊MQ-36 x4
早期警戒飛行隊E-2D x4
E-5X x4
偵察飛行隊MQ-83B x4
汎用飛行隊MH-60S x4
対潜飛行隊MH-60F x8
MH-125T x8
輸送飛行隊VC-62CS x6
合計固定翼機 x146
ヘリコプター x12
搭載機種
戦闘攻撃機ADF-32 ダークプリンセス
ADF-41 アドラー
F-35C
早期警戒機E-2D
E-5X?
給油機MQ-36
偵察機MQ-83B
汎用ヘリMH-60S
MH-125T
輸送飛行隊VC-62CS

格納庫設備・補給

 飛行甲板下に1層のギャラリーデッキを置いてハンガーが設置されている。格納庫は1層のみだが、全長328.5メートル、最大幅40メートルと広大な敷地を確保している。これは船体の75%という並外れた長さを誇っているものの、原子炉の小型化や航空要員の相対的な削減、TFCCやCVICの統合など様々な省力化を行った結果、達成された数字と言える。なお、高さは3層分、8.6メートルとニミッツ級とさほど変わらない大きさとなっている。
 艦載機の多さから全ては格納できず、基本的には露天駐機とされているものの、内部にも一部収容とすることができる。特に偵察機は使用頻度が高く、艦尾に専門の設備が備えられているほどである。
 格納庫は4つの仕切りに分けることができ、ダメージコントロールの際には閉鎖される。エレベーターが存在する開口部も対爆シャッターが設置されており、核攻撃などNBC兵器の攻撃を受けた際にもある程度は耐えられるようになっている。
 燃料搭載力は24800t、弾薬は5800tとなっている。ルートアセシオンでは有力な海外基地の確保失敗に備え、長期行動を想定しており、補給艦の減勢も考え莫大な搭載能力を持つこととされた結果である。燃料で既に弩級戦艦まるまる1隻分の搭載量となってしまっており、我が国の事情を反映している。

機関

 第8世代シャロウ式原子炉を搭載。第8世代はシャロウ社の艦艇用溶融金属原子炉を指し、本級ではNaK合金冷却炉を採用している。電磁ポンプの採用により駆動部品が最小限に抑えられるため静粛性に優れ、高い熱伝導性によりA1W原子炉と同等の大きさにまで小型化しながら出力を40%アップさせることに成功している。
 タービンはアル・メナス社の蒸気タービンを採用。新世代のスパコンによる設計支援と形状・構造技術の進歩による効率化を志向しており、エネルギーロスを最小限にまで抑えている。
 なお、NCW適用と長距離兵装の充実による交戦領域拡大により、速度はさほど重視されなくなっており、31ktが限度となっている。

C4ISTAR

・統合指揮統制センター(JCDC)
 本級はロゼッタ戦闘システムの採用に伴うNCWコンセプトの適用により、TFCCとCVICを統合したJCDCが設置される。こちらは通常のGCCSやIBSが設置されているものの、最大の違いはCDCからの情報をより迅速に統合し、素早い意思決定を行うことが可能となっている。
 特にIBSからの情報は所属する空母航空団の航空機からもたらされる航空偵察情報と並び空母打撃群の情報収集に欠かせないシステムであり、ロゼッタシステムはIBSのアーキテクチャを参考に開発され、オープンアーキテクチャ化されている。
・ロゼッタ戦闘システム
 本級はNCWコンセプトに則り、ロゼッタシステムを中核に、衛星から見通し線内まで幅広いデータリンクシステムと通信回線により高いレベルでの情報共有を志向し、常に各個での意思決定を行うための基盤を用意した。空母打撃群は複数のアセットを備え、本国から遠くはなれた遠洋海域で広範囲での作戦展開を行うパッケージであるため、高い自己完結性と協調が極めて重要となる。いわばロゼッタシステムはミサイル駆逐艦単一のためだけではなく、空母打撃群のために用意されたシステムとも言える。CDCに設置されているものではあるが、JCDCのGCCSと連接されており、迅速にデータを陸上の総司令部とやり取りすることも可能となっている。
 単なる米空母で使われているSSDSの後継ではなく、より進歩した光学監視システムと情報管制ネットワークの実装により、甲板上の航空機の位置情報をデジタル情報として表示できる他、甲板上のレインボーギャングの位置情報表示、各機の兵装設置状況、そして艦載機側に実装されていればの話だが、自己診断プログラムとの連携により残燃料や弾薬なども確認可能となっており、極めて高い情報共有と甲板運営が可能となっている。これに加え、甲板の大型化よりソーティ数はジェラルド・R・フォード級の160ソーティ/日から280ソーティ/日と1.7倍以上に増加している。
・AN/SQQ-90
 艦首ソナー2種類はズムウォルト級の流用。障害物よけソナーとして機能するが、潜水艦の捜索も可能。

武装

 本級の武装は自衛に限定されている。構成はミリアス海軍伝統のレンダリア30mmCIWS、RAM発射機、ESSM発射機となっている。
 THELを搭載する計画もあったが、排水量の増加と引き換えにしても脅威目標の確実な破壊が可能になるとの見込みはできず、結果的に採用見送りとなった。
 どうせ1000発単位でミサイル撃たれたら死ぬからね、しょうがないね(諸行無常)かなしいなぁ……
 なお、追加武装として12.7mm機銃(ブローニングM2)をスポンソンやキャットウォークに適宜設置される。


運用国

・ルートアセシオン・ミーリア帝国

関連項目