大学入試統一学力テストを考慮しない高等教育機関はほぼ存在しない。統一テストは250点満点で平均得点は100点程度、標準偏差は15点程度になるように作成されている。しかし合格最低点と大学の格は比例しない。合格最低点が192点のユトレヒト医科大学と116点のパストーニュ大学を比べたとき、前者のほうが『格下』であると、ほとんどの低地地方出身者は口にする。標準的な総合大学であっても、リベラルアーツ教育を受けた者のほうが6年間医学や法学を頭に詰め込んだ者よりも『教養が深い』と扱う傾向にある。15世紀から共和制の低地地方では、爵位に代わり学校歴が身分を表すステータスシンボルとなっており、実学主義の東部との間で認識の齟齬が生じるケースが散見される。国王
エルマはユトランド理系最難関と言われている
コペンハーゲン工科医科大学を卒業している医師だが、低地地方では無教養な人間の文脈として語られることも少なくない。王を戴く共和制に対する低地地方人の複雑な思いが作用していないとは言い切れないが。