架空国家を作ろう 第2.6世界線 - エーレスラント連合王国の教育
エーレスラント連合王国の教育について紹介する。ここでは教育制度一般について説明する。名門校や有名校は「エーレスラント連合王国の名門大学」や「エーレスラント連合王国の名門校?」を参照のこと。


制度

エーレスラントは公教育として18歳までの義務教育とそれ以降の高等教育、専修教育が公教育法により規定されている。特に教育において、デンマーク、スカンジナビア地方、フリースラント地方(ドイツ沿岸地域)、低地地方の間での文化の乖離は大きく、そのため多種多様な選抜形態と教育システムが地域ごとに運用されている。

初等教育

低地地方では6歳から9年、ユトランドでは5歳から10年がメジャーな初等教育の修業年限である。フリースラント地方においては初等教育の成績で以降の進学先が決められる傾向にあり、ハンブルク大学やハノーファー大学などを狙う生徒以外は、進学目的のために遠隔地の高等学校やグラマースクールに進学する傾向がある。

初等教育(後期)から中等教育を一貫して実施する私立学校や公立学校などもあり、その中でも旧王立学校や名門私立学校の席は激しい競争の的となっている。

中等教育

15歳から18歳までの子供は、中等教育機関に在籍する権利があり、保護者は中等教育機関に就学させる義務を持つ。エーレスラントでは特に中等教育時点で多彩な選択肢が示されることが特徴で、大学入試統一学力テストの対策をする普通科高校、工学や事務を学ぶ専門高校、理系単科大学の選抜を狙ったサイエンススクールなどから学力と適性に応じて進学先を選択する。

大学

エーレスラント国内で義務教育を修了している者は、全ての大学に出願する権利を持つ。西ヨーロッパの教養主義の影響を強く受けている低地地方の大学はほとんどが総合大学で、専門学校と共に高等教育のバリューラインを担っている。スカンジナビア地方やユトランドでは伝統的に、大学を研究機関としての総合大学、官僚養成機関の大学校、貴族の箔付け学校、専門職育成機関の単科大学の4つに分け、数回の学力試験と面接のみで選抜する。全国的には低地地方の総合大学や省庁大学校、士官学校を卒業している者がジェネラルエリートとして扱われる。
大学の『難易度』と『格』
大学入試統一学力テストを考慮しない高等教育機関はほぼ存在しない。統一テストは250点満点で平均得点は100点程度、標準偏差は15点程度になるように作成されている。しかし合格最低点と大学の格は比例しない。合格最低点が192点のユトレヒト医科大学と116点のパストーニュ大学を比べたとき、前者のほうが『格下』であると、ほとんどの低地地方出身者は口にする。標準的な総合大学であっても、リベラルアーツ教育を受けた者のほうが6年間医学や法学を頭に詰め込んだ者よりも『教養が深い』と扱う傾向にある。15世紀から共和制の低地地方では、爵位に代わり学校歴が身分を表すステータスシンボルとなっており、実学主義の東部との間で認識の齟齬が生じるケースが散見される。国王エルマはユトランド理系最難関と言われているコペンハーゲン工科医科大学を卒業している医師だが、低地地方では無教養な人間の文脈として語られることも少なくない。王を戴く共和制に対する低地地方人の複雑な思いが作用していないとは言い切れないが。