架空国家を作ろう 第2.6世界線 - アンバーグリス級フリゲート
アンバーグリス級フリゲート
基本情報
種類対潜フリゲート
同型艦77隻
原開発国エーレスラント連合王国
運用者エーレスラント海軍
建造費4億1500万ELC
建造所クルチェ造船所
性能
満載排水量5420トン
全長143.2m
全幅16.39m
吃水3.9m
推進方式統合全電気推進
発電機NEM マリンフランカガスタービン発電機(51MW)×2基
OCR-3000Vガスタービン発電機(4.2MW)×4基
非常用ディーゼル発電機
モーターSCC23HTS電動機(49.2MW)×2基
出力132000hp
速力最大45ノット
航続距離4000nm以上(28kt巡航時)
乗員28名(個艦要員)
87名(航空要員)
兵装AGS-L 62口径76mm単装砲:1基
57mmCIGS:1基
SeaRAM:2基
Mk.57 PVLS:20セル(前甲板スリット)
Mk.32 SVTT:2基
18連装機雷投射装置:2基
航空艤装対潜ヘリコプターを2機まで格納可能
電子兵装
レーダーE/SPY-44 MFR:3面
E/SPY-12 ASDR:4面
E/SPS-73 対水上/航海用:1基
ソナーE/SQS-60 中周波式:1基
E/SQS-61 高周波式:1基
E/SQR-20 曳航式:1基
妨害装置AN/SLQ-32(v16) 電波探知妨害装置:1基
AN/SAQ-1 指向性エネルギー赤外線妨害装置:4基
AN/SLQ-58 ノイズバルーン展開装置:4基
Nulka:2基
SRBOC:4セット
C4ISTARGCCS-M
NTDS/MADL
艦艇自衛システムBL/3D
E/SQQ-12



概要

アンバーグリス級フリゲートはエーレスラント連合王国海軍が運用する対潜ミサイルフリゲートである。汎用ミサイルフリゲートのコンセプトは、1998年、当時の海軍大学(NAVWARCOL)の校長であったクリス・ハーメルン提督が提唱したスーパーバイズコンセプトに由来する。これは、同提督が提唱し、エーレスラント海軍の新たな指導原理として採用されたネットワーク中心戦 (NCW)の概念に基づき、エーレスラント海軍が採るべき方針について洞察するなかで見出されたもので、従来のハイ-ローミックスの概念に起源を有しつつも、これを根本から覆している、きわめて大胆なコンセプトであった。エシャロット級駆逐艦とプリント級ミサイルフリゲートに見られるような従来のハイ-ローコンセプトにおいては、高戦闘力・高コストのユニットが前線に配置され、低戦闘力・低コストのユニットは後方など脅威レベルの低い区域に配置される。これに対し、ストリート・ファイター・コンセプトで建造される艦は、低コストではあるが、NCWを活用して強力な戦闘力の発揮を導き、かつ、その名のとおりに前線戦闘海域で攻撃的に活用されるのである。

開発

1990年代当時、エーレスラント海軍は既に、新世代の水上戦闘艦のあるべき姿としてSC-21コンセプトを採択し、これに基づいて巡洋艦級のCG-21、駆逐艦級の DD-21の整備計画を策定中であったが、SC-21計画は2001年に突如中止され、ストリート・ファイター・コンセプトを導入しての再計画が行なわれた。これは、下記の2点について、従来のSC-21計画には重大な問題が内包されていることが判明したことによるものである。

多様化する任務に単一の設計で対処するには限界がある。(当該任務に不要な兵器群を全て船に携行すると費用も整備要員も膨張する。)CG-21とDD-21は同一の設計に基づくこととなっていたが、計画開始後に次々と追加される任務に対応するため、先行して計画されたDD-21は既に巡洋艦級と評されるまでに肥大化しており、なおも装備不足が指摘されており、その一方で肥大化によって沿海域での戦闘には不適となりつつあった。
2000年に発生したガリポリ襲撃事件で確認されたとおり、沿海域戦闘においては、安価な武器でも、高価格・高性能な艦に近寄り、大きな損害を与えうる (Cheap Killの危険性)。従って、少数の高価格・高性能な艦に頼り、これを不用意に前線に展開することは極めて危険である。自爆ボートなどの民間擬装船は、優れたレーダーを持つ大型艦にも接近攻撃が可能で(魚雷艇の魚雷に対するジャミングもリアクションタイムが必要な事もあり)、回避力に優れた高速小型艦を量産して前方展開することが望ましい。

また冷戦終結後より、エーレスラント軍は戦争以外の軍事作戦(MOOTW)のニーズ増大に直面していた。ホタテ戦争では、密猟阻止を目的とした海上治安活動が行われていたが、沿岸警備隊だけでは戦力が不足しており、アメリカ海軍も支援にあたっていた。海軍は、主としてユトレヒト級フリゲートやエシャロット級駆逐艦を充当していたが、エシャロット級では重厚長大に過ぎ、一方で小型のユトレヒト級では、密猟業者が使用する高速船を追蹤するには速力不足であった。また、ユトレヒトは2000年頃、エシャロット級も2010年頃の退役が見込まれていたことから、代替艦の建造が必要になっていた。

このことから、SC-21計画中止後の再編成において、ミサイル巡洋艦『CG(X)』、ミサイル駆逐艦『DD(X)』との組み合わせのもと、MOOTW任務に適合する新型水上艦として、ストリート・ファイター・コンセプトをより具体化して計画されたのが、マンハント級フリゲートである。

構成

船体

本級は、FFM-X計画に対してノーマン・エレクトロメカニクス社が提出した設計にもとづいており、特徴的なトリマラン型を採用している。これは、NE社とエーレスラント海軍研究所(ENR)の研究や、オスマンの国防評価研究庁(DERA)の実験船「トライトン」の運用実績を踏まえた決定であった。オースタル社がフレッド・オルソン社向けに建造した高速フェリーを参考に、防水区画数の増加や溶接技術の管理など軍艦構造として設計されている。船質としてはアルミニウム-スカンジウム合金を採用したが、このためもあり、就役後には深刻な電解腐食の問題が発生した。

機関

主機関はCODAG方式を採用しており、巡航機としてV型20気筒のNE 20V8000 M90ディーゼルエンジン、加速機としてゼネラル・エレクトリック RNE2500ガスタービンエンジンをそれぞれ2基ずつ搭載する。それぞれのエンジンにバルチラ社製のウォータージェット推進器を1基ずつ備えることから、4軸推進艦となっている。なお、三胴船型の採用によって、排水量のわりに船幅を広げることができたため、甲板面積の拡大に益した一方で、旋回性能の低下が懸念されたことから、これを補うために船首には隠顕式のアジマススラスター1基を搭載している。

2016年8月には、オーデンセ出港後の「デルタ」で軸系に問題が生じ、帰港するというトラブルが報告された。なお、対抗馬にあたるシェイルアード級でも、エーレスラント海軍で採用実績がないロールス・ロイス社製のガスタービンエンジンを採用したこともあって機関部のトラブルが散発しており、信頼性に疑義が呈されたことがあった。

装備

ヘリテージコンセプトに基づき、本級では自衛用の最低限の装備を基本として、これに加えて、任務に対応するための各種装備を柔軟に搭載することを計画している。これらの装備は、艦のC4ISRシステムを中核として連接され、システム艦として構築される。

固定装備

エーレスラント軍の新しい海軍戦闘指導原理であるネットワーク中心戦 (NCW)コンセプトに準拠して開発された本艦にとって、最重要の装備といえるのがC4ISRシステムである。戦術情報処理装置としては新開発のICMS(Integrated Combat Management System)が搭載された、これはオランダのタレス・ネーデルラント社のTACTICOSを元にした派生型である。

主センサーとしては、5000トン級としてはかなり大規模なE/SPY-1が搭載されている。

艦砲としては、船首甲板にユナイテッド・ディフェンス社のMk.110 57ミリ単装速射砲を装備する。砲射撃指揮装置(GFCS)としては、電子光学式のシースター社製サファイアIIIを用いている。また近接防空ミサイル・システムとして、後部上部構造物上にRIM-116 RAMの11連装発射機であるSeaRAMを搭載する。

ミッションモジュール

ミサイルフリゲート艦のコンセプトにもとづき、本級は装備のモジュール化を進めている。ミッション・パッケージはゼド級と共用化されており、これを収容するスペースとして、第2甲板の後半部がミッション・ベイとされており、面積は実に1,410 m²に及ぶ。

この広大なスペースは車両甲板としても活用でき、右舷側のサイドランプを用いてRO-RO機能を発揮することもできる。また艦尾側にも門扉があり、複合型高速艇を迅速に発進・回収可能な、オフボード・ランチ・アンド・リカバリー・システムが設置されているが、これは、対機雷戦用の無人艇にも対応している。

その上部の船尾甲板には680 m²のヘリコプター甲板が設定されており、上部構造物後端部は床面積330 m²のハンガーとされている。搭載機はミッション・パッケージに応じて決定されるが、MH-60R/Sヘリコプターのみであれば2機、混載であればMH-60R/Sヘリコプター 1機とMQ-8無人航空機3機を搭載できる。
ミッション・パッケージは、代表的なものとして下記のようなものがある。

  • 対機雷戦
30フィートまでの浅深度の機雷に対してはSH-28S搭載のALMDS機雷探知機およびAMNS機雷処分具、30フィート以深の機雷に対して、ROVを用いた遠隔機雷捜索システム(RMS)を用いる構成とされている。
  • 対水上戦
艦固有の57ミリ単装速射砲に加えて、Mk.46 30ミリ単装機銃2基と艦対艦ミサイル(SSM)、そして艦載機のMH-60Rから構成される。
艦対艦ミサイルとしては、当初は将来戦闘システム(FCS)の一環として陸軍が開発していたNLOS-LS対舟艇・対戦車ミサイルを採用する予定であったが、FCS計画自体の中止に伴って、2010年にNLOS-LSの開発も中止されてしまったことから、海軍は、暫定策としてグリフィン対地・対舟艇ミサイルを搭載して、2019年までにより長射程のミサイルによって更新する計画としている。