架空国家を作ろう 第2.6世界線 - アトラス自走戦術ミサイル
アトラス自走戦術ミサイル
基本情報
種類通常弾頭中距離弾道ミサイル
原開発国エーレスラント連合王国
技術協力中華ソビエト社会主義共和国連邦
バルカン・スラヴ連邦共和国
セーデルランド=ノーリス民主連邦
運用者エーレスラント陸軍
エーレスラント空軍
建造2010年5月11日
製造ノーマン・ダイナミクス
性能
全長22.35m
車体長20.88m
全幅4.20m
全高4.32m
重量58.5トン
懸架方式油気圧式
速度75km/h(整地)
乗員10名
ミサイル
名称アトラス中距離弾道ミサイル
ランチャー形式単装
ランチャー重量44.5トン
ロケット口径212cm
ロケット全長2,080cm
飛翔速度5500m/s
到達高度2200km(ロフテッド軌道)
1280km(ME軌道)
440km(ディプレスト軌道)
射程3300km(ME軌道)
1200km(ディプレスト軌道)
燃料CL-66固体燃料ロケット
推進方式ロケットモーター推進
操舵方式推力偏向+姿勢制御モーター
CEP5m
弾薬重量10,240kg
弾頭
クラスター弾頭CCB-3 DPICM×7,802
対戦車誘導弾頭UGB-4 ERAロイター子弾×288
対戦車地雷弾頭MAT-5 対戦車地雷×1,436
MAS-6 対人地雷×8,242
化学弾頭液体ソマン 9,500kg
サーモバリック弾頭TGF-7 自己着火性弾頭 10,330kg
対地精密誘導弾9554kg OHNP
対レーダー誘導弾2500kg OHNP
駆動系
懸架方式油気圧式
装甲複合装甲
燃料搭載量1400L
エンジンNE-LouisX パワーパック
駆動方式ディーゼル-ガスタービン複合エンジン
排気量23.2L
航続距離680km
出力1600hp/3000rpm
C4ISTARコンバータシステム
操縦用ベトロニクスE/VCQ-2
アクティブ防護装置エイレーネM



概要

アトラス自走戦術ミサイルはエーレスラント連合王国が開発し、エーレスラント陸軍が運用する装輪式SRBM発射システムである。設計思想をM5A7から継承し、2004年から開発が進められた。旧式化の著しいMLRSを置き換えることを目的としており、2018年度から師団砲兵を皮切りに各砲兵隊に順次配備される予定である。MLRSは多連装ロケットシステムの略で、短時間に大量のロケット弾を投射し、目標地域を面的に制圧することを目的にした兵器。アウズンブラ歩兵戦闘車のシャシーを流用したフレイヤ自走発射機とSLEHEロケット弾またはフルインチ戦術ミサイルを組み合わせてフレイヤシステムを構成している。

開発

フレイヤ自走戦術ロケット砲システムはノルマン危機時代の1997年、欧州に展開する三重帝国軍の戦車部隊を遠距離から一挙にせん滅できる兵器を目指し、エーレスラント連合王国が開発を始めた。

弾薬構成

フレイヤのロケットランチャーには、通常弾頭ロケット弾6発を装てんしたコンテナ2基か、戦術ミサイル1基を収めたコンテナ2基を搭載することができる。通常弾頭ロケット弾は射程距離が32キロ、802個のDICMを内蔵したタイプの場合、目標上空で子爆弾を飛散させ、半径200メートルの範囲内に存在するものを破壊する。戦術ミサイルは慣性誘導方式によって目標まで導かれるミサイルで、初期型のブロックIは弾頭部にDPICM子爆弾を6263個詰め込み、ミサイル1発の加害面積は1700m四方に及ぶ。フレイヤは現代のロケット砲システムの基本型となるもので、エーレスラント陸軍およびエーレスラント海兵隊っd制式採用されている。

製造

開発は連合王国国防装備研究部会直属委員会、試作と生産はノーマンダイナミクスが担当した。開発時のプロジェクトネームであるクルセイダー、CFGS(クルセイダー野戦砲システム)の他に、開発完了年度である2012に由来する正式名称M2012もで用いられている。主砲には完全な新機軸であるM323E2 62口径155mm先進砲を備え、液体装薬や新型の重量級弾頭により、より緊密な火力支援を前線に届けられると考えららている。

開発

被空輸製を巡る戦務と現場の対立

エーレスラント連合王国はモロッコ、樺太、そしてアイスランドの麻薬戦争などの非対称戦を1995年から15年以上にわたって繰り広げてきた。陸軍は2回の再編を経て対ゲリラ戦に特化した構成となり、市街戦では目立ち、威力が大きくコラテラルダメージが懸念される自走砲の調達数は2001年以降0であった。さらに2006年からは予定通り老朽化したM5A6の退役計画がスタートし、機動砲兵火力は衰退の一途を辿った。市街地での火力支援は主にヘリコプターによって空輸されるM37A2によって賄われ、多くの幕僚や指揮官は口を揃えて「キャタピラで移動し、トレーラーで弾薬補給を受ける旧式の自走砲より、ヘリコプターで砲も人員も弾薬も空輸してしまう方がスマートでRMAに適っている」と主張した。

ラムタルレポート

このような主張を一掃したのが2010年に提出されたラムタルレポートである。このレポートは拡大する周辺国の機甲戦力に対しての分析で構成されており、中でも重大な脅威として取り上げられたのがブランデンブルク帝国の外征軍化である。19世紀から一貫して内線戦略の信奉者だと思われていた帝国は、突如としてレオパルト2MBTやプーマIFVを輸送できる鉄道や高速道路の整備を始めた。これらのインフラ拡張事業が終わる2020年度までに有効な対抗策を立てなければエーレスラント連合王国の軍事的プレゼンスは完全に喪失するだろうとレポートは予測した。第二次世界大戦の英雄で行政院長選挙候補にも選ばれたことのあるラムタルの警告は参謀本部のみならず、一般大衆にも深刻に受け止められ、非対称戦の適応よりも全面戦争への備えを求める世論が優勢となった。議会もこれを無視することはできず、統合参謀本部に「予備計画」の立案を命令した。これを受けて陸軍戦略室が提唱した戦いこそがエアランドバトルであり、その中核を担う長距離砲火力としてM5A9を開発することが許可された。

車体

転輪配置

フレイヤ自走戦術ロケット砲の足周りは前方の誘導輪、後方の起動輪、片側7個の転輪と片側5個の上部支持輪で構成されており、M5A9に比べて転輪数が片側1個増やされている。転輪数を増やし他のは信地旋回や超信地旋回を行う際には転輪数が奇数の方がスムーズに行えるといわれていることから、このことも転輪数の変更に影響していると考えられる。

サスペンション

フレイヤ自走戦術ロケット砲のサスペンションは、日本の10式戦車と同じく油圧によって高さを調節できる油気圧式サスペンションが採用されている。また、フレイヤ自走戦術ロケット砲の油気圧式サスペンションは可変ダンパーを備えたセミアクティブ方式で、車体の加速度等を検出して自動的にサスペンションの挙動を制御するようになっており、機動性能の向上に貢献している。このセミアクティブサスペンションは、フレイヤ自走戦術ロケット砲が主砲の射撃を行う際に反動を大幅に減少させる役割も果たしている。

エンジン

フレイヤ自走戦術ロケット砲のエンジンは、ホルツマンが新たに開発した4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力1,200hp)が搭載されている。フレイヤ自走戦術ロケット砲に搭載されているデトロイトディーゼルに比べると出力は3倍近くまで向上しているが、パワーパック全体の体積はフレイヤ自走戦術ロケット砲のそれとほとんど変わらない。またM5A6の2ストロークエンジンから4ストロークエンジンに変更されたため、信頼性や燃費効率はフレイヤ自走戦術ロケット砲のエンジンの方が上回っている。4ストロークエンジンの欠点であるサイズの大きさも気筒数が90式戦車の10から8に減らされたことと、可変ノズルを備えた新型のターボチャージャーの採用によりコンパクトなエンジンを実現している。

ロケットシステム

300mmロケット弾

ロケットシステムは戦後第2世代ロケット砲のスタンダードである300mm規格を採用している。ただし、砲身長は55口径以下が中心となっている第2世代自走砲に対して、M5A9に搭載されているM323E2は62口径にまで延伸されている。装弾はあらゆる仰角で行うことが可能であり、大きな反動を吸収するために駐鋤だけでなく、戦車に搭載されているような砲スタビライザーも装備されている。同砲は世界で初めてリキッドプロペラントを採用した榴弾砲であり、弾頭のみならず装薬の装填も自動化されている。前世代の榴弾砲と比べると射程も大幅に延伸され、精密榴弾で55km、射程延伸砲弾では130km以上の有効射程を誇り、艦砲と比較しても見劣りのしない射程ゆえに沿岸砲運用なども想定されている。弾頭は精密榴弾と射程延伸砲弾の2種類が用意されている。

精密誘導弾モデル

精密榴弾は弾頭部にKaバンドのアクティブレーダーシーカーを搭載しており、GPS/INSの中間誘導を経て、正確に目標に着弾する。CEPは0.3〜1m程度で、移動中の装甲車両などへの命中も十分に見込める数値となっている。弾丸の重量は83kg、炸薬量は45.4kg(Mk98 100ポンドケーシング炸薬)である。従来の砲弾に比べて弾身長が長く、M777用の砲弾の3倍以上の重量を持つ。弾丸重量は増大しているものの、液体装薬のエネルギー密度は極めて高く、従来の装薬に比べて10倍前後のエネルギーを与えられるため、初速はM6.5(2170m/s)に達する。射程延伸砲弾は誘導系は精密榴弾と全く同じ構造だが、弾体の半分がデュアルスラスト固体燃料ロケットモーターとなっている。砲弾は高仰角で射ち出された後、高度16000mまで上昇する。この高度では空気抵抗がほとんど存在しないため射程の大幅な延伸が見込める。当該高度に到達すると122cmの主翼が展開され、デュアルスラストモーターに点火される。M2〜M5程度を維持しながら飛翔し、目標に1000m/s程度の終速で着弾する。

高効率エンジン

液体装薬を採用した結果、再装填の速度が大きく向上したことも、この砲の特徴の一つとして数えられる。車体内には2基の装薬ポンプと8発の弾頭が封入されたパレットが6個装備されている。弾薬パレットは自動装填装置によって砲尾にセットされ、装填と同時に液体装薬が一定量ポンプによって注入される。弾頭側に発射薬用信管が設置されており、砲手の操作によって通電され発射される。

連射速度

装薬をポンプで送り込む性質上、装填は弾頭のみで良いのでその速度は極めて早く、8発の弾薬パレットを10秒で撃ち尽くせる。発射された8発の弾薬はMRSI能力を有し、事前にセットされた目標もしくは飛翔中に事前に砲弾データリンクによって更新された目標の座標情報に向かって突入し、3秒以内に全弾が着弾する。セットされた目標とXM2001が開発されていた時代には、液体装薬は安定性や均一燃焼性に問題があるとされていたが、スタークケミストリーやファイザー工科大学によって開発されたRDXとここ10年で大きく進歩したエマルション製造技術がこれらの不備のブレークスルーを果たした。

冷却システム

砲身は水冷式であり、エチレングリコールを添加した水のジャケットによって覆われている。ただし、液冷であっても従来砲に比べて莫大な熱量の装薬の燃焼熱を砲身が浴びることには変わりがないので、1回のパレット射撃ごとに120秒の砲身の循環冷却と排熱が必要となる。そのため、運用にあたってはバースト射撃を行い陣地を移動することが理想とされている。前述の同時着弾能力によって、相手のカウンターバッテリー部門は1回の斉射のみを観測して砲兵の位置を同定することは困難だと考えられている。

射撃

他職種との連携

ロケット砲は間接照準射撃のために作られた砲であり、自衛目的などで行われる直接照準射撃を除いては基本的に単体で照準を行うことが出来ない。敵および弾着の確認を行う射弾観測部隊と、射撃に使用する方位角や射角を計算するFDC、そして、それらの部隊と射撃部隊を繋ぐ通信システムが射撃において必要となる。前任のM109A6は、自己位置の評定に測量が必要であり、射撃に必要な方位角を入力するには、方向盤と各火砲に搭載されたパノラマ眼鏡の反硯法および照準点となるコリメーターや標桿等の設置が必要となっていた。また、射撃指揮所(FDC)で計算された射角や方位角、信管の調整は無線や有線により音声で各火砲に伝えられていた。このような人間によるアナログ方式の照準は陣地進入から射撃までの時間がかかり、また諸元の入力ミスや弾着の誤差が発生しやすい欠点がある。射撃に使用される単位「ミル」は、円周を6400等分した単位で、1ミル間違えるだけで1km先で約1m、10km先では約10mの弾着のズレが生じてしまう。M2012に関しては、コリメーターなどを使わずに射撃を行うことが可能で、慣性航法装置(INS)もしくは衛星測位システムを使用した自己位置、方位角の評定を行っている。ただし、砲塔上面にはパノラマ眼鏡があり、方向盤とコリメーターを使った射向付与も可能である。

射撃管制装置

射撃管制装置は、MADLや車体間データリンクに対応しており、さらに高度な機能として、射撃指揮所の遠隔操作による自動標定、自動照準、自動装填、自動発射が可能とされる。近年の砲兵戦では、対砲迫レーダー、火光標定、音源標定、無人偵察機などの各種観測装置と戦術データ・リンクの発達により、砲迫の攻撃を受けると瞬時に射撃位置が評定され、反撃が実施される体制が確立されているため、短時間の射撃の後に陣地変換をする場合が多くなっている(シュート・アンド・スクート)。

車内作業の機械化

フレイヤ自走戦術ロケット砲は行進、射撃準備、射撃、撤去の一連の動作を機械力により大幅に自動化することで現代戦に対応している。砲塔内の車長席には正面に照準潜望鏡、潜望鏡操作パネル、サーマルモニター、照準器ハンドルなどがある。潜望鏡操作パネルには28個のスイッチとランプがあり、車長はこれらを見る事で自らの車輌の状態を知る事ができる。また、車外の車長用視察・照準装置を介して外の様子を知ることができる。車長席側の装填装置にはハンドルを取り付ける穴があり、装填装置が使用不能になったとしても、車長がハンドルを取り付けて回すことで弾薬を装填できる。砲手席には正面とサイドにパネルがあり、正面のパネルには14個、サイドパネルに20個のスイッチが備わっている。

砲手用交戦装置

砲手席左側には無線装置がある。照準ハンドルには追尾スイッチ、角速度ボタン、レーザー発射スイッチ、撃発安全レバー、撃発ボタンの計5個のボタン・スイッチがあり、両手の指を使い操作する。砲塔後部にはラックと、円筒形の風向センサーを備えている。なお、自動装填装置を採用している点については評価する声がある一方で、装填手1人分の人手がなくなったことで車体の清掃や整備、戦車用掩体を掘るといった作業における搭乗員の負担が増加したとの意見がある。メルカバやM1エイブラムスのように、技術的には可能とされながらも乗員減のデメリットを考慮し、自動装填装置の搭載を見送った例もある。人員削減の思惑もあるとされるが、砲弾装填の失敗、事故を防ぐ点は評価されている。

防御力

装甲防御力

車体は均質圧延鋼板の装甲に覆われており、20mmAPDSの直撃や155mm砲の至近弾に耐えるよう設計されている。また、M5A9は車体を軽戦車や歩兵戦闘車に流用することが考えられているため、車体正面には比較的ゆとりのある装甲板スペースや、外装式のモジュラー装甲レセプターが備えられている。また、車体底面にはV字型の対地雷装甲が備わっており、IEDや対戦車地雷に対する有力な防護手段となっている。

戦略機動性

エーレスラント連合王国は世界各地に領土を持ちに、氷雪気候の本土エリアからモロッコの砂漠エリアまで幅広い気候と地誌に対応することがM5A9のみならず合衆国のあらゆるAFVに求められている。車内はNBC防護も兼ねた完全密閉型で、二重窓を装備しており、-25〜40℃までの範囲で活動が可能である。また、M1A6と同じ条件でC-1やC-4などの大型輸送機に搭載することが求められており、燃料や弾薬、人員をフルに搭載した状態でC-1に1台、C-4Mには最大3台搭載できるとされている。HMC師団?では空輸によって迅速な展開を可能としているが、クルセイダーもその例外なく高速展開に適応している。